長崎県「緊急事態」12日までで解除 佐世保は9月末まで 飲食時短要請も終了へ

2021/09/10 [10:20] 公開

県独自の緊急事態宣言の解除などについて説明する中村知事=県庁

 長崎県に適用されている新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」が期限の12日までで解除されるのを受け、中村法道知事は9日、県内全域に発令している県独自の緊急事態宣言と飲食店などへの営業時間短縮要請について、佐世保市を除き12日までで解除すると発表した。同市への宣言と時短要請は30日まで延長する。県内の感染状況を示す県独自のステージは13日以降、同市は最高の「5」を維持し、それ以外の20市町は「4」に引き下げる。
 県内の感染拡大「第5波」で、県は8月19日、県内全域に独自の緊急事態宣言を発令。27日から重点措置が適用された。同措置の解除により長崎、佐世保両市の終日酒類提供禁止措置などは緩和される。
 新規感染者数は8月25日からの1週間に比べ、9月1日からの1週間は17%減と改善傾向で推移。ただ、佐世保市の1週間の人口10万人当たりの新規感染者数(9日時点)は49.7人で長崎市の2.6倍。病床使用率は68.8%と高止まりし、療養者数などを含めステージ判断の指標すべてが「5」の水準を超過している。知事は「大変厳しく、予断を許さない状況」と強調した。
 佐世保市では、飲食店関連の感染事例が50件以上と目立っており、時短要請に応じていない店も3店舗確認されている。知事は、同市民に対し、要請に応じない店舗の利用を控えるよう求め、13日以降も▽県外との往来▽特に夜の繁華街への外出▽同居家族以外との会食-を自粛するよう呼び掛けた。
 併せて、同市の医療体制の強化も図る。宿泊療養施設を77室から179室に拡充。来週以降、同施設に有床診療所を設け重症化を防ぐ効果がある抗体カクテル療法や、自宅療養者に対し電話診療などを行う「自宅療養サポート医」の運用を始める予定。県全体でも、緊急時の最大確保病床数を17床増の549床とする。
 ワクチン接種を進めるため、知事は、長崎、佐世保両市の県大規模接種センターの設置期間を11月中旬まで延長することや、若者の優先接種枠の確保を検討していると明らかにした。
 長崎、佐世保両市と西彼長与町の県立高校を対象にした分散・時差登校や、県内全域の学校を対象にした部活動の制限も13日以降解除する。