火山活動は静穏…溶岩ドーム「平成新山」、九州大などが防災視察登山 長崎・島原

長崎新聞 2026/05/19 [10:24] 公開

溶岩ドームから安中地区方面を示す岡本センター長(右端)=平成新山

溶岩ドームから安中地区方面を示す岡本センター長(右端)=平成新山

大きい写真を見る
雲仙・普賢岳噴火災害で43人が犠牲となった1991年6月3日の大火砕流から35年を迎えるのを前に、九州大地震火山観測研究センターと長崎県島原市は18日、噴火活動で形成された溶岩ドーム「平成新山」(1483メートル)への防災視察登山を実施した。
 同大の松島健特任教授(66)は「火山活動は静穏で、噴火の兆しはない」との見解を示す一方、「(2016年の)熊本地震などでは大きな影響は見られなかったが、引き続き崩壊に警戒してほしい」と呼びかけた。
 普賢岳(1359メートル)は1990年11月17日、198年ぶりに噴火した。91年5月20日に溶岩ドームが出現。同6月3日に大火砕流が発生し、島原市安中地区で住民、消防団員、報道関係者ら43人が犠牲となった。93年6月23日にも大火砕流が起き、住民1人が亡くなっている。
 噴火災害は96年に終息したが、噴出した溶岩は約2億立方メートルに及び、このうち約1億立方メートルが普賢岳頂上付近に堆積している。
 防災視察登山には、溶岩ドームを監視している国土交通省のほか消防、警察、報道関係者ら計112人が参加。松島特任教授は、ドーム頂上部での噴気温を88・2度と計測。観測を始めた95年は500~800度だったが徐々に下がり、2011年7月以降は100度を下回っているという。
 国交省雲仙砂防管理センターの岡本徹センター長(58)は、溶岩ドームが昨年末までの28年間で安中地区方面に約1・53メートル(年平均5・4センチ)ずれていったと説明。「ずれは(19年前の)2007年からだと年平均3・7センチと緩やかになっているが、大きな地震があった時には速やかに避難してほしい」と話した。