マツバクラゲの幼生期解明 長崎北陽台チームが最優秀賞 

2021/07/17 [13:00] 公開

課題研究発表大会で最優秀賞を受賞した(左から)岡本さん、若杉さん、佐渡さん=長崎北陽台高

 本年度の県理数科高校課題研究発表大会で県立長崎北陽台高(西彼長与町)チームが最優秀賞に輝いた。日本近海に生息する「マツバクラゲ」が、幼生(ポリプ)の時期に巻き貝に着生して増えることを発見した。同校の最優秀賞受賞は5年連続。
 大会は、6月に同町で開催。理数科のある県立高4校から各校2チーム計8チームが出場した。
 最優秀賞を受賞したチームは岡本壮汰さん、若杉日向さん、佐渡海輝さんの3年生3人。昨年1月、大村湾の喜々津港(諫早市)で小型巻き貝「アラムシロ」に着生している「謎のポリプ」を偶然見つけ、種の特定を目指して研究を始めた。
 ポリプはイソギンチャクのような形状。現地調査や実験を重ね、ポリプをシャーレで育ててクラゲ(成体)を発生させることに成功した。見た目の特徴とDNA解析の結果から、このポリプが「マツバクラゲ」であることを突き止めた。さらに、受精卵から形を変えながら貝に着生し、クラゲになるまでの一生のサイクルを解明した。
 指導した宮崎輝教諭(生物)によると、マツバクラゲ自体は珍しくないが、幼生時期については未解明の部分が多かった。チームリーダーの若杉さんは新型コロナ禍による昨年の休校を振り返り「実験が途切れたりして難しかった。評価してもらえてよかった」と話した。佐渡さんは「群体性ポリプを発見できてうれしい」、岡本さんも「いろんなことを知ることができた」と喜びを語った。
 3人は8月18日にオンラインで行われる中国・四国・九州地区大会(ビデオ審査)に参加する。