日常生活の困り事は? 聴覚障害へ理解深める 長崎で講座、80人参加

2025/02/04 [12:05] 公開

日常での困り事などを話したパネルディスカッション=長崎市魚の町、市男女共同参画推進センター・アマランス

日常での困り事などを話したパネルディスカッション=長崎市魚の町、市男女共同参画推進センター・アマランス

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市民を対象に、聴覚障害や手話について理解を深める講座が2日、長崎市内であった。当事者の3人が、日常生活での困り事などをパネルディスカッション形式で説明した。
 長崎市が主催した人権講座「手話でつなぐ私とあなた~聴覚障害の現実に迫る~」。約80人が参加した。
 自宅での困り事については「緊急連絡」「生活音」「近所の火災」が上がった。冷蔵庫の扉がしっかり閉まっておらず、警告音が鳴っていることに気付かなかった-という経験や、自宅近くで起きた火災で、消防車のサイレンの音が分からなかったことなどを紹介した。
 自宅外では「交通の遅延」で困った経験も。駅がいつもと違って混んでいて、駅員がアナウンスをしていたが、何が起こったかその内容が分からなかったという。
 パネリストの見陣朋子さんは「聞こえない人は情報をもらうために、かなりの努力をしないといけない。何かが起こったときにいろんな人に伝わるよう、伝える方法を考えてほしい」と求めた。
 マスクを着用していると、話しかけられているかどうかも分かりづらいという悩みも上がった。
 後半では「おはようございます。よろしくお願いします」「いつもありがとう」など、普段使うフレーズや数字の手話も伝授。参加者は実際に手や表情、口形を意識しながら練習した。