長崎県内の大雪被害 20人重軽傷 断水350戸超

2021/01/12 [23:57] 公開

8日から9日にかけ大雪に見舞われた県内。けが人の搬送が相次いだ=9日午前11時38分、長崎市川口町

 8日から9日にかけて県内に降った記録的な大雪について、長崎県は12日、被害状況を取りまとめた。同日までに長崎、佐世保、五島3市で男女20人の重軽傷者が確認された。凍結などによる水道管の破損も相次ぎ、5市町の357戸で断水が発生。現在は、おおむね解消しているという。
 長崎地方気象台によると、この冬一番の強い寒気の影響で8日から9日にかけ、長崎市などで大雪に見舞われた。同市では9日午前1時に観測史上2番目となる15センチの積雪を記録。このほか同日午後3時時点で五島市三井楽17センチ、佐世保5センチの積雪を観測した。
 県によると、佐世保市では9日に70代男性が雪で転倒し右足首を骨折する重傷。長崎市では歩行中や雪かき中に転倒するなどして男女17人が軽傷を負った。凍結などによる水道管破裂で断水が発生したのは、市町別で▽壱岐市170戸▽対馬市115戸▽島原市32戸▽新上五島町30戸-など。
 また日本自動車連盟(JAF)九州本部によると、7~11日に県内では雪の影響による救援要請が445件あった。スリップによる立ち往生やチェーン取り付けなどが多かったという。九州では福岡県(1932件)に次ぐ多さで、坂道が多いという特有の地形が影響したとみられる。
 県警交通指導課によると、雪に関する交通事故は7~10日に少なくとも220件発生。うち109件は、8日午前に集中していた。県警は、雪の対策を取らずに車で通勤した人が多かったことが原因とみている。