重度の障害を抱える長崎市の山口和俊さん(38)は9年半前、親元を離れ、24時間介助を受けながら生活を始めた。自立への第一歩で「明るい光が差し込んだ瞬間だった」。1人では食事もトイレも、寝返りを打つこともできない。それでも「選択肢がある日常を送れるのがうれしい」。山口さんは「普通」をかみしめがら地域で生きている。
7歳から車いす
山口さんは生まれつき、少しの摩擦などで全身の皮膚や粘膜に水膨れなどができる指定難病「プレクチン欠損型表皮水疱(すいほう)症」を抱え、同じく指定難病の筋ジストロフィーも併発している。2013年から人工呼吸器、14年から胃に直接栄養を送る「胃ろう」が欠かせない。それでも、親の負担軽減や親亡き後の暮らしも見据えて16年夏、長崎市の市営団地で重度訪問介護サービスを利用し24時間介助付きの生活を始めた。
7歳から車いすを利用。小中高校、大学まで、障害のない同級生らと机を並べた。階段や段差があると、先生や友達が抱え上げてくれた。体育など参加できない授業もあったが、学校生活は充実していた。
子どもは純粋で、変な気遣いもないからだろうか。けんかもした。だがそれも「『普通の人』として接してもらえた経験」。危険な目に遭うこともあったが、それも学びだと思えた。
失敗できる環境
国連総会で障害者権利条約が採択されたのは06年。日本は14年に批准したが、22年の初審査で障害児を分離した特別支援教育の中止を求められた。障害の有無にかかわらず共に学ぶ「インクルーシブ教育」に取り組む県内の小学校女性教諭は分離教育によって「障害のある子とない子双方の経験の機会が奪われている」と指摘。「差別や偏見が生まれるのは互いを知らないから。一緒に過ごすことで関わり方を学ぶ」と話す。
“ファミリー”として山口さんを介助するのは小林光司さん(36)、須藤賢史さん(41)。「毎日失敗だらけ」と3人は顔を見合わせて笑うが、そこに悲壮感はない。「たとえ失敗したとしても、自分で選択し経験することに意味がある。守られるだけでなく失敗できる環境があるからこそ、人は成長できる」と山口さんは力強く語った。
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日本弁護士連合会(日弁連)の人権擁護大会が11、12の両日、長崎市の出島メッセ長崎で開かれる。山口さんは11日午後0時半からのシンポジウム「分ける社会を問う!地域でともに学び・育つインクルーシブ教育、ともに生きる社会へ」に登壇予定。入場無料。オンラインでも視聴できる。
7歳から車いす
山口さんは生まれつき、少しの摩擦などで全身の皮膚や粘膜に水膨れなどができる指定難病「プレクチン欠損型表皮水疱(すいほう)症」を抱え、同じく指定難病の筋ジストロフィーも併発している。2013年から人工呼吸器、14年から胃に直接栄養を送る「胃ろう」が欠かせない。それでも、親の負担軽減や親亡き後の暮らしも見据えて16年夏、長崎市の市営団地で重度訪問介護サービスを利用し24時間介助付きの生活を始めた。
7歳から車いすを利用。小中高校、大学まで、障害のない同級生らと机を並べた。階段や段差があると、先生や友達が抱え上げてくれた。体育など参加できない授業もあったが、学校生活は充実していた。
子どもは純粋で、変な気遣いもないからだろうか。けんかもした。だがそれも「『普通の人』として接してもらえた経験」。危険な目に遭うこともあったが、それも学びだと思えた。
失敗できる環境
国連総会で障害者権利条約が採択されたのは06年。日本は14年に批准したが、22年の初審査で障害児を分離した特別支援教育の中止を求められた。障害の有無にかかわらず共に学ぶ「インクルーシブ教育」に取り組む県内の小学校女性教諭は分離教育によって「障害のある子とない子双方の経験の機会が奪われている」と指摘。「差別や偏見が生まれるのは互いを知らないから。一緒に過ごすことで関わり方を学ぶ」と話す。
“ファミリー”として山口さんを介助するのは小林光司さん(36)、須藤賢史さん(41)。「毎日失敗だらけ」と3人は顔を見合わせて笑うが、そこに悲壮感はない。「たとえ失敗したとしても、自分で選択し経験することに意味がある。守られるだけでなく失敗できる環境があるからこそ、人は成長できる」と山口さんは力強く語った。
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日本弁護士連合会(日弁連)の人権擁護大会が11、12の両日、長崎市の出島メッセ長崎で開かれる。山口さんは11日午後0時半からのシンポジウム「分ける社会を問う!地域でともに学び・育つインクルーシブ教育、ともに生きる社会へ」に登壇予定。入場無料。オンラインでも視聴できる。
