長崎県「洪水ハザードマップ」公表 想定最大規模の大雨に備え

2020/12/18 [14:20] 公開

県の管理河川の供水ハザードマップ作成状況

 想定最大規模(千年に一度級)の大雨に備え、水防法に基づいて市町が作る「洪水ハザードマップ(避難地図)」。県内では国管理の本明川と県管理の29河川が対象で、県管理分は現在約38%の11河川で公表されている。県はマップを作る際の資料となる浸水想定区域図(浸想図)の作成を本年度に終える予定で、マップも来年度までに全て公表される見込みだ。
 洪水ハザードマップは浸水の深さや避難経路、避難場所などを示した地図。流域に家屋などが多く、氾濫した場合に甚大な被害が生じる可能性がある「水位周知河川」が対象となる。浸水の恐れがある区域を定めた浸想図を県が作り、そのデータを基に各市町が作成する。2015年の水防法改正に伴い、想定最大規模のマップ作成が義務付けられた。
 県管理河川では、水位周知河川の22河川と今後指定予定の7河川で作成が進む。想定最大規模の浸想図は21河川で作成を終えており、川棚川や佐々川など残る8河川は年度内に完成する予定。
 県は今後、管理する他の中小河川300超についても、浸水が推定される範囲や深さを示す「氾濫推定図」の作成に着手する。全国でハザードマップ作成対象以外で氾濫が相次いでおり、県民に注意喚起を図る目的。数が多いため、県河川課の浦瀬俊郎課長も策定に携わった国の「小規模河川の氾濫推定図作成の手引き」に沿って、航空レーザー測量データなどを用いた簡易的手法で作成を急ぐ。豪雨災害が頻発する中、同課は「ソフト面でも事前防災にしっかりと取り組んでいきたい」としている。