AI利用の模擬患者アバター 医学生の問診練習相手に 長崎の企業が4月製品化

長崎新聞 2026/03/27 [11:20] 公開

タブレット端末の画面越しに対話する模擬患者アバター

タブレット端末の画面越しに対話する模擬患者アバター

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長崎大や駒沢大の研究グループと、医療ITを手がけるシステック井上(長崎市)は26日、共同研究を進めてきた生成人工知能(AI)を利用した模擬患者アバター(分身)について、同社が4月1日に「S-Smart模擬患者」として製品化すると発表した。学習データの生成と模擬患者アバター、評価の三つのAIを組み合わせた技術は国内初という。

 模擬患者は医学生のために患者役を演じ、設定されたシナリオに基づいて問診などの練習相手をする。実際の患者と同じように症状などを再現する知識とスキルが必要で、人材の養成や確保が課題となっている。

 同製品を使えば、医学生は時間帯や回数を問わず、自宅でもスマートフォンやタブレット端末の画面越しにAIアバターと対話しながら医療面接の練習ができる。現時点では肺炎など11の疾患と3段階の難易度から選べ、AIが面接内容を評価し、フィードバックする仕組みを取り入れている。

 共同研究は2024年3月、長崎大情報データ科学部の小林透教授=現駒沢大教授=や同社が、長崎大医学部の協力を得て開始。AIに医療の専門知識などを学習させ、疾患や年齢、性別を幅広く実演できるアバターの開発を進めた。本年度は医学生に試用版を使ってもらい、さらに改良を重ねた。

 同製品は1回10~20分当たりの使用料として400~500円を想定。既に県外の3大学が導入を検討しているという。新年度も引き続き、「指導医AI」の機能強化など共同研究に取り組む予定。

 長崎市内であった記者発表で、井上達社長は「医学部の先生方の高度な知見を得て、ニーズに合った製品に仕上がった」と語った。