活版印刷「味わいが違う」 本木昌造文字使い一筆箋

2020/09/07 [22:50] 公開

手動の活版印刷を実演する組合員=長崎市立図書館

 長崎県印刷工業組合と長崎市立図書館(興善町)は5日、長崎ゆかりの活版印刷に触れてもらおうと、同館で「としょかんde活版2020」を開いた。
 同館の立つ場所が近代活版印刷の祖とされる本木昌造が設立した「活版伝習所」であったことから、2015年から開いている。活版印刷の実演のほか、本木昌造や鉛活字についてビデオやパネルで紹介した。
 これまで参加者が活版印刷を体験していたが、今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、組合員らの実演に変更。復元された「本木昌造文字」を使い、手動の活版印刷機で参加者の名前が入った一筆箋を一枚一枚刷ってみせた。
 一筆箋を手にした長崎市鍛冶屋町の後田直美さん(68)は「長崎に残る活版印刷はパソコンなどの印刷とは味わいが違う。この一枚のために、人が技術と経験を注いだ貴重なもの」と温かみを感じていた。