【動画】西海・北緯33度線展望台 五島灘に沈む夕日

2020/05/19 [14:38] 公開

五島灘を一望する北緯33度線展望台。五島列島・中通島の向こうに夕日が沈む。展望台横の建造物は旧日本軍の聴音所跡=西海市崎戸町

 「その風景、誠に妙なり」。大村藩が江戸期にまとめた「大村郷村記」には、北緯33度線展望台(西海市崎戸町)付近からの眺めをこう記している。1938年には、旧日本軍が潜水艦のスクリュー音などを検知する聴音所を建てた。その構造物が今も残る。
 展望台は、旧崎戸町が1989年に整備。カサブランカやバグダッドに通じる北緯33度線が近くを通ることからその名が付いた。本土からは大島大橋など5つの橋を渡る崎戸島の最西端に位置する。
 標高約40メートルの高台にある高さ6メートルの展望台からは平戸、五島列島、松島、池島など360度の眺望が開ける。国土交通省の日本風景街道「ながさきサンセットロード」の見どころの一つで、五島灘に沈む夕日も楽しめる。
 2015年、崎戸町に工場を置く製塩大手、ダイヤソルトが創立60周年を記念し、フォトフレームを模したモニュメントを設置。写真映えのスポットとしても人気がある。
 本郷地区自治会の福岡昭和会長は「住民にとっても、都会へ出た出身者にとっても、変わらぬ景色は、心の財産。風土が人を育てる」と話した。