2026長崎県知事選 県民500人アンケート(3) 石木ダム賛否は拮抗

長崎新聞 2026/01/10 [16:27] 公開

石木ダム建設事業と行政代執行の賛否

石木ダム建設事業と行政代執行の賛否

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県と佐世保市が東彼川棚町で建設を進める石木ダム事業は、1月で国の事業採択から半世紀。現地で工事が粛々と進む一方、水没予定地で暮らす反対住民13世帯の理解は得られないままだ。県民アンケートでは、事業への賛否はほぼ拮抗(きっこう)。ただ、反対住民の強制的な排除を意味する行政代執行には批判的な意見が根強い。また回答者の約半数は明確な賛否を示しておらず、事業への理解や関心度には濃淡がみられる。

 回答者のうち、事業への賛否を明確に示したのは半数近くの48・3%。内訳は容認・賛成派が約25%、反対派が約24%とほぼ同数だった。賛成派は、ダムの目的である佐世保市の水需要や川棚町の治水効果から必要性を主張。反対住民らが国などに起こした訴訟で敗訴したことを踏まえ、「司法判断が出ている」(東彼波佐見町・40代公務員男性)とする人もいた。

■県手法に不信も

 反対派には「人口減少するのに必要なのか」(佐世保市・60代その他女性)「治水は河川改修で代替可能」(五島市・50代団体職員男性)などの疑問の他、県側の合意形成の過程や強引な手法への不信や反発が目立つ。

 県は土地収用法に基づき、2019年までに13世帯の宅地を含む全ての用地を同意なく取得した。しかし、現在に至るまで13世帯は、同じ土地で生活を続けている。このまま住民が立ち退きに応じなければ、家屋の強制撤去を含む行政代執行が避けられない。

 事業賛成派の中でも、4割近くが行政代執行に反対している。「やり方が強引かと思う」(大村市・60代会社員女性)「住民がかわいそう」(同・30代アルバイト女性)など県側の丁寧な説明や話し合いによる解決を求める意見が多く挙がった。

■理解促進に課題

 事業の賛否を「判断できない」と答えた人は全体の43・3%。「計画の存在を知らない」とする8・4%と合わせると半数を超え、県民の理解促進には依然として課題がある。

 回答者の居住地別にみると、建設地の川棚町や利水の受益地である佐世保市以外では関心度が薄れる傾向がある。「生活に関係がなく、事情がよく分からない」(諫早市・50代団体職員女性)「判断できるほどの知識がない」(長崎市・40代公務員女性)と、情報不足から判断を避ける人が多い。川棚町では回答者6人中4人が事業に反対。佐世保市では、賛成と反対、判断留保がほぼ同じ割合となり、市民の間で意見が分断している。