五島日本語学校への留学心待ち 胸に希望 ベトナムの若者ら 来春開校 内定27人 勉強に励む

2019/12/10 [16:00] 公開

日本語の例文を声に出して読む生徒たち=ベトナム、さくら日本語センター

 ベトナム・ダナン市の「さくら日本語センター」で、来年4月に五島市で開校する「五島日本語学校」の入学を控えた生徒が勉強に励んでいる。「日本で働きたい」「日本で学んだことを生かし、ベトナムに貢献したい」-。それぞれの夢を胸に、五島で学ぶ日を心待ちにしている。

 11月中旬。センターには、真剣な表情で机に向かう生徒の姿があった。講師はベトナム語を一切使わず、日本語で授業を進める。生徒は日本語の例文を声に出して繰り返し読み、頭にたたき込んでいた。

 センターは1996年に設立。現在は10~40代の約600人が在籍している。日本への留学を目指している人や、趣味で学んでいる人などさまざま。講義を受ける頻度も異なるが、留学を目指す生徒は、ほぼ毎日通っている。

 五島日本語学校は、学校法人九州総合学院(熊本県)が運営する。対象はベトナム人留学生で、1学年の定員は50人。ダナン市と包括連携協定を結んでいる県公立大学法人が、入学生の確保に協力している。

 センターでは10月下旬に五島日本語学校の入試があり、27人が内定した。ラム・ニャット・ハイさん(18)は「五島は景色がきれいで、静かな場所だと聞いた。勉強に集中できると思う」と楽しみな様子。「将来はベトナムで観光の会社を立ち上げ、日本人を呼び込みたい」と意気込む。ボ・ティ・チュック・クインさん(26)は「日本の文化を学び、日本でガイドとして働きたい」と夢を描く。

 講師の松浦啓(ひろむ)さん(32)=西彼長与町出身=は「日本のいいところを吸収し、将来に生かしてほしい。日本とベトナムの懸け橋になってくれることを期待している」と話した。