長崎県内定時制通信制高校 15人が生活体験発表 福浦さん(鳴滝高4年)全国へ

2019/10/01 [12:00] 公開

「私らしい今があること」と題して発表する福浦さん=佐世保市体育文化館コミュニティセンターホール

 県内の定時制、通信制高校に通う生徒の生活体験発表大会(県高校定時制通信制教育振興会主催)は9月29日、佐世保市光月町の市体育文化館コミュニティセンターホールであり、8校から15人が出場した。最優秀賞には3人が選ばれ、このうち県立鳴滝高通信制4年の福浦ひな子さん(19)が、11月に東京で開かれる全国大会に出場する。
 福浦さんは「私らしい今があること」と題して発表した。中学1年のある日、生まれつきの目の病気が原因で視力が急に低下。体のことを考えて鳴滝高に進み、生徒会活動やアルバイトなどで楽しく生活していた。しかし高校1年の9月、急に周りが暗くなり、3歳から続けていたピアノの鍵盤すら見えなくなった。アルバイトは辞め、授業にも一切出なくなった。
 ただ、生徒会室だけには顔を出した。「友達としゃべることが、暗闇の中の光だった」。生徒会長に目の事情を打ち明け、原稿を拡大してもらって、さまざまな行事で司会を担当した。2年の9月に手術を受け、再びピアノの鍵盤が見えるようになったときは涙があふれたという。
 今では、目の病気のことを誰にでも話せるようになり、見えないからこその努力を続けていこうと考えるようにもなった。「盲目の人のための楽譜を学び、そしていつか、教える側になりたい」と夢を語った。
 最優秀賞には、県立佐世保中央高定時制夜間部の宇土嶺奈さん(19)、同校通信制の北山陸さん(19)も選ばれた。