無病息災願い 元気に水掛け 江迎千灯籠まつり

2019/08/24 [00:04] 公開

地蔵に威勢良く水を掛け、無病息災を願った「水かけ地蔵町内巡歴」=佐世保市江迎町、嘉例川

 県北を代表する夏祭り「江迎千灯籠まつり」(江迎町千灯籠奉賛会、同まつり実行委主催)は23日、長崎県佐世保市江迎町で始まった。幕開けを告げる「水かけ地蔵町内巡歴」(水かけ地蔵まつり)では、子どもたちが地蔵を載せたみこしを担いで町内を練り歩き、沿道の人が水を浴びせて無病息災を祈願した。夜には約1万個の灯籠と、約千発の打ち上げ花火で江迎のゆく夏を彩った。24日まで。
 「水かけ地蔵まつり」は町内の寿福寺に安置されている地蔵と子どもたちが水遊びをして疫病を追い払ったという言い伝えに由来し、500年以上の歴史がある。まつりに合わせて灯籠をともす風習が広まり、今では「江迎千灯籠まつり」として県北の夏の風物詩となっている。
 「水かけ地蔵町内巡歴」には町民ら約600人が参加。午後1時に花火を合図に寿福寺を出発。近くの嘉例(かれい)川では「わっしょい、わっしょい」の掛け声に合わせ、みこしを取り囲んだ子どもたちが地蔵に水を浴びせ、自分たちもずぶぬれになりながら無病息災を祈った。
 夜には江迎中央公園にあるシンボルの灯籠タワー(高さ約25メートル)と町内の灯籠が点灯。午後9時ごろから約千発の花火が夜空を染め、訪れた観光客らが旧宿場町・江迎の夏の風情を楽しんでいた。

3500個の灯籠で飾られた高さ25メートルのタワーと打ち上げ花火が競演、晩夏の夜空を彩った=午後9時20分、佐世保市の江迎中央公園