祈りの光 優しく 平和公園ライトアップ 

2019/07/09 [09:31] 公開

光ファイバーやLEDなどでライトアップされた平和公園=長崎市松山町

 長崎市が松山町の平和公園周辺で進めていた夜間景観整備が完了し8日夜、ライトアップが始まった。日没から午後10時まで毎日点灯する。コンセプトは「平和を希(こいねが)う光」。公園内では186の照明と319の光ファイバーの優しい光が一帯を照らす。

 点灯式が同日、平和公園であり、約180人が出席した。長崎に原爆が投下された8月9日にちなみ午後8時9分に点灯。入り口から埋め込まれた291の光ファイバーの粒が平和祈念像に向かって延びていき、照明が祈念像と樹木を照らした。原爆落下中心地碑や原爆資料館などの周辺にも発光ダイオード(LED)が新たに整備された。

 田上富久市長は「これから被爆者の方が少なくなっていく中で、平和公園などを訪れ平和を願う気持ちを共有していく工夫はますます必要になってくる」とあいさつした。点灯ボタンを押した市立山里小6年の森川涼太君(11)は「祈念像が明るく照らされてきれいになった。これからも平和学習を頑張りたい」と話した。

 長崎市は2017年5月に環長崎港夜間景観向上基本計画を策定し整備を進めている。昨年11月には国指定史跡「出島和蘭商館跡」周辺をライトアップ。今年の夏ごろまでに大浦天主堂(南山手町)や新地中華街などの周辺に整備する。