「長崎の力 結集したい」 アート通し平和発信「ナヘア」

2019/06/20 [16:16] 公開

昨年のナヘアで開かれた起き上がり小法師の展示会の様子=長崎市、長崎歴史文化博物館

 長崎原爆が投下された8月に合わせ、地元作家らが連携して平和を発信する複数のアート系イベント「長崎平和アートプロジェクト(ナヘア)」が今夏、昨年に続き長崎市で開かれる。7月27日に国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(同市平野町)の交流ラウンジで開幕し、8月末までに15イベントを各地で展開する。
 ナヘアでは、地元アーティストや市民らが平和の思いを込めて絵付けした福島県の郷土玩具、起き上がり小法師(こぼし)を同市浜町の「メガネのヨネザワ浜町店」に展示するイベント「おきあがりこぼし」(8月3~31日)を開催。また、広島、長崎の二つの被爆地に寄せられた折り鶴を利用した再生画用紙に、子どもらが平和の絵を描いた作品を同店などに展示する。毎夏、爆心地公園などに子どもらが描いた巨大壁画を展示している「キッズゲルニカINながさき」(8月6~31日)、34回目となる「長崎平和音楽祭」(7月27日、市平和会館)もナヘアの一環で開く。市内のアートスペースやギャラリーなどでは、各種アートや書などの展示もある。
 19日はナヘアのメンバー9人が長崎市役所を訪れ、田上富久市長にイベントの概要を説明。田上市長は「被爆者が少なくなる中で、(平和の)新しい伝え方を探し、みんなが一緒になって発信力を高めることは大事。皆さんの背中を追っ掛けて活動が始まっていくと長崎の伝える力は未来へつながっていく」と話した。
 ナヘアの林田英昭事務局長(56)は「2回目の開催の大事さを感じている。地元の力を結集して幅広く声を掛けていきたい」と参加呼び掛けへの意気込みを語った。
 イベントの問い合わせはナヘア事務局(電095.894.9970)。

田上市長(左)にイベントについて説明する林田事務局長(右から2人目)らナヘアのメンバー=長崎市役所