熟練の看護技術生かして 再就職を支援

2019/06/01 [11:00] 公開

参加した動機や希望する働き方などについて語り合う参加者=諫早市永昌町、ながさき看護センター

 定年や早期退職で離職している看護職(看護師、准看護師、助産師、保健師)の就業や再就職を支援しようと、県は昨年度から「プラチナナース活躍推進事業」に乗り出している。事務局の県看護協会の坂田千枝子副会長は「人口減少や人材流出が続く中、高い技術や豊富な経験があるベテラン看護職の人材を確保し、医療介護の充実につなげたい」と期待感を示した。
 「プラチナ」には「熟練した看護技術と対人スキルを持つ」という敬意が込められており、おおむね60歳前後の人材を想定。県医療人材対策室によると、国が調査した県内の看護職員は2016年末現在、2万5774人。このうち60歳以上は2532人で、全体の約1割を占めている。
 同事業では、交流会などを通じてプラチナナース側と、医療機関や福祉施設など受け入れ側とが情報を交換。相談窓口を訪れた看護職側の要望にも耳を傾けている。県看護協会が運営する無料職業紹介所「県ナースセンター」を通じマッチングにつなげていく方針だ。
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 29日、本年度1回目の交流会が諫早市のながさき看護センターであり、14人が参加した。「フルタイムは厳しいけれど、少しでも看護の仕事に携わりたくて」「ハローワークに行っても再就職先は見つからず。人材不足とはいえ、年齢制限の壁がある」「将来のために現状を知りたくて」など動機はさまざまだ。63歳の女性は「求職の際、看護協会の紹介なら社会的な信頼もある。こうした制度があるのは心強い」と話した。
 一方で「受け入れ側は、プラチナナースの経験をどのくらい望んでいるのか。医療の現場は、若い人材や新しい能力を求めているのでは」という声もあった。
 次回の交流会は7月24日、同センターで開く。無料。申し込みと問い合わせは同協会(電0957.49.8050)。