雲仙・普賢岳大火砕流28年 「いのりの日」前に清掃

2019/05/19 [10:28] 公開

定点周辺を清掃する参加者。後方は平成新山=島原市北上木場町

 消防団員や報道関係者ら43人が犠牲になった雲仙・普賢岳噴火災害の大火砕流から28年になる6月3日の「いのりの日」を前に、地元住民らが18日、遺族や関係者が慰霊に訪れる島原市北上木場町の北上木場農業研修所跡周辺を清掃した。

 一帯は大火砕流に襲われた水無川流域に位置し、消防団員の詰め所だった同研修所跡、報道陣が撮影ポイントにしていた「定点」などがある。普段は立ち入りが制限されている砂防指定地内で、3日の「いのりの日」などには開放され、遺族らが追悼の祈りをささげに訪れる。

 清掃には地元の安中地区の住民や消防団員、国交省雲仙復興事務所、市などから約60人が参加。小雨が降る中、約2時間かけて生い茂った雑草を鎌や機械で丁寧に除草していった。

 当時、約半年の避難生活を余儀なくされた安中地区町内会連絡協議会の阿南達也会長(81)は「地域住民として、研修所跡や定点を島原の聖地として守り続ける義務がある。災害を知らない世代への防災教育にこの場所を役立てたい」と話した。