初当選の小値賀町長に聞く 西村久之氏 定住人口増へ医療整備

2019/04/24 [10:18] 公開

にしむら・ひさゆき 県立北松西高卒。1976年に町役場に入り、総務課長などを務めた。趣味はゴルフ。自己分析は「何事も負けず嫌い」。柳郷で妻と暮らす。

 〈小値賀町長選で「町民が主役」をスローガンに掲げ、初当選した。島民約2400人と、県内で最も人口が少ない同町は過疎化、高齢化という厳しい課題に直面している〉

 -62票差で現職の3選を阻んだ。
 選挙戦で「町民が主役」をスローガンに訴え続けたことが評価されたと思う。今後は、農漁業や商工業など各種団体の関係者、住民と会合の場を設け、人々の意見を吸い上げながら行政運営を進めていきたい。

 -町政の課題は。
 定住人口を増やしていくため、医師らを確保し医療環境を整備していくことが求められている。現在、町立診療所の常勤医は1人だが2人体制にできるようにしたい。看護師についても町人会を通じU・Iターン者を探す。専用住居を新設するなどしてサポートしたい。

 -人口減が進んでいる。
 全国的な課題であり、簡単に解決できない。地場産業である農漁業の後継者を育てることで若者を定着させ、歯止めをかけたい。具体的には、町担い手公社による農業研修など既存の制度を活用し、技術を学んでもらいたいと考えている。

 -高齢化も深刻だ。
 通院や買い物などが不便な高齢者ら交通弱者支援は、町社会福祉協議会の車両移送事業でカバーできない部分もある。タクシー会社の公設民営化などの方策を探っていきたい。

 -昨年、小値賀にも構成資産がある「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録された。
 同じく構成資産がある平戸市や新上五島町を基点に考えると、小値賀は通過点になる。宿泊滞在してもらえるよう、小値賀本島の情報も発信していく必要がある。観光客の視点から、住民が知らない魅力が見つかるかもしれない。

 -島の将来像は。
 合併しないことを選択した自治体。かつては(農業や漁業で)自給自足でやってきた歴史がある。住民が自分自身で考え、まちづくりを進めていけるようになればと思う。

 -町職員として40年以上勤めた。
 ほぼ全ての課を担当し、財政や総務課の経験もある。業務に不安はない。

 -抱負を。
 住民のため、自主的に考え動く職員を育てたい。やる気を生むには、先輩が手本を見せ、本人にやらせ、ほめてやることが大切だと思う。