2018年、五島市観光統計 入り込み客最多 世界遺産追い風、消費額も

2019/04/16 [00:10] 公開

来場者数が前年の約2倍に増えた旧五輪教会堂。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「久賀島の集落」内にある=五島市蕨町

 2018年に長崎県五島市を訪れた入り込み客数は、24万131人(前年比12.5%増)を数え、市町合併で新市が誕生した2004年以降、過去最多だったことが、五島市がまとめた観光統計で分かった。五島市内にも構成資産がある「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産登録が追い風になったとみられ、推計観光消費額も86億7600万円(同14.5%増)と過去最高だった。

 五島市によると、合併前は1998年の23万5876人(旧1市5町の合計)が最多で、合併後は19万~22万人台で推移していた。

 季節別では、世界遺産登録決定後の秋季(9~11月)が6万2348人(前年比26.2%増)、冬季(1~2月、12月)が4万6522人(同29.2%増)と大きく増えた。一方、夏季(6~8月)は7、8月に航空機の機材故障や、悪天候による航路・空路の欠航の影響で、7万6495人(同0.4%減)だった。

 主な観光施設への来場者は、▽旧五輪教会堂1万4934人(前年の約2倍)▽江上天主堂1万2634人(同約2.2倍)▽堂崎天主堂3万3200人(同約1.3倍)。また、外国人観光客1668人のうち8割以上をアジア圏が占め、特にキリスト教徒が多い韓国人が多かった。

 五島市観光物産課は「世界遺産登録でメディア露出が増え、旅行会社も積極的にツアー商品をつくってくれた。個人やグループ客のリピーター化につなげるため、食や体験プログラム、宿泊施設の充実を図る」としている。