伝統の「木場浮立」厳かに ユニークな獅子の舞も

2019/04/08 [00:00] 公開

木場浮立でユニークな舞を見せる獅子=佐世保市、上木場公園

 320年以上の歴史を誇る県指定無形民俗文化財「木場浮立」が7日、佐世保市黒髪町の上木場公園で披露され、勇壮な舞が住民らを魅了した。
 1690年、佐賀県西有田から木場地区に伝わったとされる民俗芸能。農民の雨乞いを願って始まったが、豊作祝いや娯楽として代々伝承されてきた。戦後一時途絶えたが1953年、地元有志が木場浮立保存会を結成。毎年4月の第1日曜に披露している。
 はじめに大名行列を表し、3歳から83歳までの約60人が公園内を周回。桜の花びらが舞い散る中、雨乞いや雨が降った喜びを表現しながら、笛や太鼓の囃子(はやし)に合わせて舞った。木の皮で作られた獅子は、ユーモラスで愛嬌(あいきょう)ある動きを見せ、会場を盛り上げた。
 初めて舞を披露した市立黒髪小6年、川口真依さん(11)は「練習と違い衣装が重かったので、舞うのが難しかった。参加できてうれしい」と笑顔。川口文雄会長は「少子高齢化の中、子どもたちが一生懸命練習してくれるのは心強い。いつまでも残していってほしい」と話した。