春を告げる旅鳥 五島でヤツガシラ撮影

2019/03/08 [00:17] 公開

 長崎県五島市福江島に、春の訪れを告げる珍しい旅鳥ヤツガシラが飛来している。観察を続けている県生物学会員、米文博さん(71)=同市富江町=は「なかなか出合えない鳥なので、見ることができて感動した」と喜んでいる。
 ヤツガシラは全長28センチ前後で、頭部には広がると扇状になる冠羽がある。ユーラシア大陸やアフリカなどを往来する個体もいて、春と秋の渡りの時季には少数が日本に飛来する。
 同市の鐙瀬(あぶんぜ)ビジターセンター職員で、日本野鳥の会県支部会員の出口敏也さん(55)によると、福江島でも毎年、3月から4月上旬にかけて姿が確認されており、「今年は少し早いが、渡りのトップバッター」という。
 米さんは2月10日、富江町内の公園を散歩中にヤツガシラ1羽を発見。その後、樹上で周囲をうかがったり、地上で餌をついばんだりする様子を撮影した。米さんは「冠羽を広げた姿がとてもきれいなので、その姿も写真に収めたい」と話している。

福江島に飛来したヤツガシラ=2月24日、五島市富江町(米さん撮影)