【平成の長崎】「千々石ミゲル墓所推定地」 本格発掘始まる

2019/03/08 [00:00] 公開

 安土桃山時代にヨーロッパを訪問した天正遣欧使節の一員、千々石ミゲルが埋葬されたとみられる長崎県諫早市多良見町山川内の「千々石ミゲル墓所推定地」で8月25日、本格的な発掘作業が始まり、地下遺構の調査に着手した。

 前日までに巨大な墓石をいったん撤去し、墓石の周囲約3メートル四方に大小の石が大量に埋められていることを確認した。25日は石を除去しながら地下約70センチまで掘り進むと、過去に土を掘り込んだとみられる約2メートル四方の痕跡が出てきた。ミゲルが死去した江戸時代前期のものとみられる陶器の破片も出土した。

 墓石にはミゲルと妻とみられる男女2人の戒名が刻まれている。調査研究統括を務める大村市の石造物研究者、大石一久さん(65)は「土を掘り込んだ跡はミゲル夫妻を埋葬した場所かもしれない」と期待した。
(平成29年8月26日付長崎新聞より)
   ◇   ◇   ◇
【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

地下に埋められた大量の石を除去しながら発掘する作業員=諫早市多良見町、千々石ミゲル墓所推定地