油彩や色鉛筆 多彩な表現 長崎日大高2年・小林さんが個展

2019/02/28 [16:00] 公開

 長崎日大高デザイン美術科2年の小林太郎さん(16)=長崎市=が、諫早市多良見町の市立たらみ図書館で個展を開いている。空想の風景を描いた油彩の大作や、人や動物の精密な色鉛筆画、アクリルの抽象画など18点が並ぶ。個展は中学3年の時以来、3年ぶり2回目。「苦手だった写実的表現も身に付き、多彩な作品を並べた。多くの人に見てほしい」と話している。
 本格的な絵画制作は、長崎市立東長崎中2年のころから。美術部に入部すると同時に、同市東古川町の美術教室「インディーズアートクラブアンドギャラリー」に通い始めた。部活動ではデッサンなど、美術教室では「自由な表現」を学び、制作にのめり込んだ。
 長崎日大高でも美術部に所属。クラスメートのまねをして、スマートフォンの画面に映した画像を模写するうちに「リアリティーのある作品を描けるようになった」。
 アマガエルをリアルに表現した色鉛筆画は、ツイッターに投稿したところ「いいね」が千件を超えた自信作。アイドルグループ「乃木坂46」のメンバーらの顔を描いた作品も注目を集める。自分をキャラクター化したアクリル画「まるボタン」はポップな雰囲気。小林さんの作品について、いとこの諫早市立喜々津中3年の原口唄さん(15)は「かわいいし不思議な世界観がある」と感想を語った。
 個展前日に完成させた100号の油彩画「hope」は、スペインの画家、サルバドール・ダリの名画に影響を受け、初挑戦した風景画。「思い描いた不思議な風景を、何も見ずに、奥行きや色などすごく頭を使って描いた」と明かす。母の香さん(47)は「落ち着いた色合い。自分の好きな道をまい進していることが伝わる。荒れ気味だった中学生のころは、原色で自分の感情をぶつけるようだった。作風が変わった」と語る。
 小林さんは「たくさんの来場者が一点一点じっくりと鑑賞したり、声を掛けてくれたりして自信が付いた」と笑顔。将来について「美術系の大学に進学し、在学中に個展を開きたい。職業についてはまだはっきりした考えはないが美術に関われたらいいな」と話す。
 同展は3月2日まで。小林さんは最終日の2日に在廊する。

個展を開いている小林太郎さん(右)。壁の作品の中央が油彩画「hope」=諫早市立たらみ図書館
アマガエルをリアルに描いた色鉛筆画
自分をイメージしたキャラクター「まるボタン」