さよなら「平成小」 児童や卒業生 学びやに別れ 五島・玉之浦小と統合

2019/02/24 [10:52] 公開

 1990(平成2)年に創立した長崎県五島市玉之浦町の五島市立平成小(道下政宏校長)が、本年度いっぱいで閉校する。23日に記念式典があり、出席した児童や卒業生、地域住民ら約180人が思い出深い学びやとの別れを惜しんだ。

 同校は旧玉之浦町立大宝小、東小、七岳小の3校が統合して誕生した。平成一桁の時代には70~90人台の児童がいたが、年々減少。2003(平成15)年度からは複式学級が始まり、現在の児童数は6年生3人を含めて10人となっていた。本年度までの卒業生は計272人。

 式典で、道下校長は「過疎化や少子化の波には勝てず、平成の時代と共に幕を下ろす。学校での思い出や経験を心のよりどころに、羽ばたいてほしい」とあいさつ。児童は学校生活での思い出を一人一人発表し、ソーラン節を披露した。最後に卒業生や保護者も一緒になって校歌を斉唱。記念碑の除幕式もあった。

 平成小の第1回入学生で、現在は息子2人が同校に通う中村慎也さん(35)は「母校がなくなるのは寂しい。先生によく怒られたのも今は良い思い出」としみじみ。4月から玉之浦小と統合し、校舎は小中併設の形で玉之浦中に移る。2年の田端純さん(8)は「新しい友達ができて、みんなで授業を受けるのが楽しみ」と新たな学校生活に期待していた。

ソーラン節を披露する児童=五島市立平成小
「ありがとう我が学び舎」と刻まれた記念碑の除幕式=五島市立平成小