【平成の長崎】手延べそうめんを編んでつくった大浦天主堂

2019/02/25 [00:00] 公開

 南島原市特産の手延べそうめんを編んでつくった大浦天主堂の模型が同市西有家町の十八銀行西有家支店で展示され、来店者の目を引いている。作製した地元の町おこし団体は「『長崎の教会群とキリスト教関連遺産』の世界遺産登録を応援したい」としている。
 模型は高さ約50センチ、幅約50センチ、奥行き約70センチ。乾麺300束(重さ15キロ)分を使用。乾麺に湿気を与えて軟らかい半生の状態にした上でよじったり三つ編みにしたりしたものを、針金の骨組みに組み合わせて屋根や壁、窓などを表現した。
 作製したのは「みそ五郎倶楽部」(本多祥彦会長、20人)。原城跡や日野江城跡といった構成資産を持つ同市での機運醸成にと、シンボル的資産である同天主堂を題材に選んだ。
 西有家町ではそうめんを編んでつくったすだれを初盆の家庭に飾る風習があり、地元の本多製麺社長の本多会長(68)はこの「飾り麺」技術の継承者数人のうちの一人。1983年発足の同倶楽部は、本多会長の技術を生かし毎年、さまざまな模型を作製。同町恒例の「みそ五郎まつり」(毎年11月)でお披露目し、同支店で展示している。
 鉄工業や大工などのメンバーは昨年11月の祭りに向けて1カ月、平日夜や日曜に本多製麺の工場の一角で作業。梅やウコン、青や茶色の食紅を練り込んだ多彩な色の麺を業務用機材で加湿し、会員で電気工事店を営む近藤孝信さん(59)の設計を基に作り上げた。
 ことしのみそ五郎まつりまで展示。眺めるだけでなく触ることもできる。本多会長は「みんな『世界遺産登録は古里を盛り上げる絶好の機会』と頑張った。いつかは島原の乱にちなんでよろいかぶとなども作ってみたい」と話した。
(平成28年1月21日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

大浦天主堂の模型を眺める本多会長(左)と近藤さん=南島原市、十八銀行西有家支店