大村・東彼 黄金時代へ 区間賞「23」 長いトンネル抜ける

2019/02/18 [11:44] 公開

 全42区間のうち、獲得した区間賞の数は半分以上の「23」。アクシデントで最終日の日間首位こそ譲ったが、それを踏まえても圧巻の強さだった。10年ぶりのV奪回を果たした大村・東彼。歓喜の輪の中心で宙に舞った野口総監督(九州電通)は「感無量」と喜びに浸った。
 第1、2日と同様、最終日もスタートダッシュに成功した。2年連続で最長区間の1区を任された定方(東洋大)は、川棚高の先輩でもある佐世保の実業団ランナー浦野(MHPS)を「相当意識して走った」。2人で並走し、中間地点過ぎのアップダウンを利用してスパート。MVPにふさわしい今大会二つ目の区間賞で、総合優勝をほぼ確実にした。
 実業団、大学生、高校生、女子にエースをそろえた今年のチーム。当初から優勝候補に挙げられていたが、これほどの差がつくとは多くの関係者が予想していなかった。支えたのは陸自大村勢。室井は第1日1区で流れをつくり、小柗、八木は“つなぎの区間”を他チームの誰よりも速く駆け抜けた。室井、八木は今大会を最後にチームを離れる予定。有終の美を飾り「懸ける気持ちはいつも以上に大きかった」(八木)と胸を張った。
 総合優勝に加え、女子は総合4連覇を達成。小学男女総合も3位に入った。「本当の意味での総合力」(野口総監督)で長いトンネルを抜け出した大村・東彼。黄金時代が幕を開けた。

大村・東彼の1区定方(東洋大、右)が10キロ付近の坂道で勝負を仕掛ける=雲仙市