【平成の長崎】長崎がんばらんば大会第1日 フットベース 好守で準決勝へ “全員フット”全国初勝利

2019/02/17 [00:00] 公開

 全員でつかんだ全国初勝利だった。初出場のフットベースボール知的が、岩手に5-3で競り勝って4強入り。最終打者を右飛に打ち取ると、全員がマウンドに駆け寄り、歓喜の輪をつくった。伊藤監督(ゆうわ会ながさきワークビレッジ)は「まさか勝てるとは…。チーム一丸になれたことがすべて」と手放しで選手たちをたたえた。
 磨いてきた守備が光った。この試合から遊撃に入った平井(新長崎水産)が好守を連発すると、外野陣も果敢に飛球に飛び付いて、ピンチの芽を摘んだ。先発横山(南高愛隣会雲仙・ふたば)は緩急織り交ぜた投球で、7回を3失点で投げ抜いた。
 攻撃も9人全員安打で応えた。2-1で迎えた三回2死二、三塁の場面では、ひときわ大きな声援の中、地元長与町出身の水谷(希望が丘高等特別支援)が登場。「絶対に活躍したい」。家族や恩師らが見守る中、ありったけの力を込めて蹴ったボールは、二塁強襲の適時打に。勢いに乗ったチームは、五、六回にも1点ずつ加え、試合を決定づけた。
 住む場所も生活環境も違うメンバー。3年前から続けてきた月3回前後の練習では、つらいことも多かった。でも、この1勝ですべてが報われた。「すごく自信がついた。こんなたくさんの応援があれば、準決勝でも、みんな力を発揮できると思う」(横山)。一丸になったときの強さを知った選手たちは、次も“全員フットベースボール”で歴史を刻みにいく。
(平成26年11月2日付長崎新聞より)
   ◇   ◇   ◇
【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

【フットベースボール知的1回戦、長崎-岩手】岩手に競り勝ち、抱き合って喜ぶ長崎の選手たち=西彼長与町、長与総合公園運動公園広場