【平成の長崎】長崎がんばらんば国体第2日 空手 形で少年男女 大躍進17歳藤田 日本一

2019/02/14 [00:00] 公開

 日本一を示す青旗が上がっても「すぐには勝ったと分からなかった」。空手少年男子形で全国初入賞を地元Vという最高の形で飾った藤田(佐世保北高)。快挙達成を実感させてくれたのは、スタンドから湧き起こった大歓声だった。
 本番に向けて、成年男子形に出場する林田(帝京大)と、毎週のようにマンツーマンの合宿を繰り返してきた。同じ早岐中出身で、佐世保尚武館の先輩。大きくて切れのある動き。指先の角度、表情…。全日本メンバーでもある「あこがれの存在」からの指導は、一つ一つが刺激的だった。
 迎えた決戦の日。林田から教わった理想の形を思い浮かべながら、試合に臨んだ。結果は、部活で指導を受ける皆良田支援コーチ(佐世保北高教)が「練習でも見たことがない切れ」と驚くほどの出来。自分自身でも、一戦一戦成長していく実感があった。
 決勝の直前まで、会場は声援に沸いていた。だが、試合が始まると、うそのように静まり返った。すべての視線が集まるのも分かった。経験したことがない独特の雰囲気。その中で「逆にいい緊張感でやれた」。力強く、伸び伸びとした演武で日本一をつかんだ。
 まだ17歳の高校2年生。これからは追われる立場となる。「でも、まだまだ林田先輩にはかないません」。見据えている場所は、もっと高いところ。半世紀に1度の地元国体で、本県空手界に期待の新星が誕生した。
(平成26年10月14日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

【空手少年男子形決勝】気迫のこもった演技で頂点に立った藤田(佐世保北高)=佐世保市体育文化館