「交通空白」解消へ2地区を選定 国土交通省、佐世保・黒島と雲仙温泉 今秋ライドシェアを導入

長崎新聞 2025/08/17 [11:00] 公開

公共交通機関など移動手段が乏しい「交通空白」の解消に向けて、国土交通省は12日までに、長崎県佐世保市黒島地区と雲仙市雲仙温泉の公共ライドシェア導入の取り組みをパイロット・プロジェクトに選んだ。両地区とも「観光」「生活の足」両面の移動手段確保を目的に、今秋から実証実験を始める予定で、同省は「プロジェクトを通してノウハウを集め、全国に広げたい」としている。

 プロジェクトは、交通空白の課題を抱える自治体や交通事業者と、解決策で協力する企業などに同省が伴走支援。連携、協働し、交通空白の解消を目指す取り組み。両地区とも今春、同省の交通空白地解消に向けた緊急対策事業に採択されており、予算面でも手厚い補助を受ける。

 離島の黒島地区には、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産があり、観光客が訪れるが、高齢化率は50%を超え、交通弱者が多い。佐世保市は車1台を購入し、定時運行と予約運行を掛け合わせた実証事業を11月から始める。

 近く地元関係者らと協議会を立ち上げ、運行計画などを詰める。来年3月からの本格運行も検討しており、市は「プロジェクトに選ばれ光栄。本格運行に向けた計画を作り込んでいきたい」としている。

 雲仙温泉の公共ライドシェアは、早ければ10月から実証実験をスタート。県内有数の観光地であるにもかかわらず、観光アクセスの悪さや温泉街従業員の「生活の足」不足が課題になっていた。

 地元タクシー事業者と連携。観光客向けには、温泉街から約7キロ離れた仁田峠を結ぶ便を想定し、従業員向けには、市街地からの通勤や買い物支援の便を考えている。市担当者は「観光客の利便性向上や働き手不足の解消、タクシー業の活性化といった面で効果が期待できる」と話している。