ベテランガイドの知見を学習…「AIガイド」の実装目指す 担い手不足の「潜伏キリシタン遺産」 長崎県

長崎新聞 2026/06/14 [11:00] 公開

AIガイドシステムのイメージ

AIガイドシステムのイメージ

大きい写真を見る
長崎県は本年度から、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に精通した現地ガイドならではの知見や話術を人工知能(AI)に学習させる。蓄積した情報を基に、2年後にはスマートフォンで観光客を案内する「AIガイド」の実装を目指す。ガイドの高齢化で担い手が不足する中、AIの力も借りて持続可能な魅力発信の形を探る。

 本県と熊本県に12の構成資産があり、2028年7月で世界遺産登録10周年を迎える。県観光振興課によると、ガイド数は正確に把握できないが、各地の団体からは旅行会社などの要請に「ギリギリで対応している」と人手不足を訴える声も多数寄せられている。

 県の想定では、県の公式パンフレットやガイド研修資料などに加え、ベテランガイドが実際に案内する音声を生成AIが学習。特にガイド自身の経験や記憶、客に伝えるための情景描写や比喩表現など、公式情報にないガイド独自の知識や技術も学ばせるのが特徴で、全国的にも例がないという。

 AIガイドシステムは、各構成資産などに設置したQRコードをスマホなどで読み取ると起動。学習した情報を観光客に多言語の音声や文章で案内するほか、新たなガイド育成や研修での活用も想定する。同課は「潜伏キリシタン遺産は歴史的背景の解説があって初めて理解が深まる。人間の代替ではなく、補完でAIを活用したい」とする。

 県は5千万円の関連予算を15日開会の定例県議会に提案予定。可決されれば本格始動する。