福島県郡山市の磐越自動車道で部活動遠征中の高校生らが死傷したマイクロバス事故を受け、長崎県内の学校も対応を求められている。県教委は県立学校に対し遠征や移動時の安全管理の徹底を通知。私立校では独自の対策を打ち出す動きも出ている。都市部に比べ公共交通が充実していない長崎県では、遠征時など顧問らの送迎が不可欠に近いのが実情で、現場からは「細心の注意を払うほかない」との声が漏れる。
■教職員に講習
今月初旬の大型連休中に八つの部活動がマイクロバスなどで遠征したという九州文化学園高(佐世保市)。事故を受け、全教職員を対象にした安全講習会を取り入れる方針を決めた。講師は自動車学校関係者らを想定する。同校はマイクロバス3台を所有。遠征でレンタカーを手配するケースも珍しくない。運転は原則顧問や監督が担っており、橋之口裕太校長は「継続した講習会で安全運転と向き合う機会をつくる。安全対策の徹底は顧問を守ることにもつながる」と狙いを語る。送迎が増える6月の県高総体の前に初回を開きたいとの考えだ。
瓊浦高(長崎市)は2021年、部活動の遠征で中国自動車道を走行中のマイクロバスが単独事故を起こし、生徒らが重軽傷を負った。この事故を機に同校は運転者の事前届け出や、1人当たりの運転時間を1日6時間以内に制限するなどの校内規則を策定。以来、事故はないという。今回の福島での事故を受け、ただちに校内会議を開催。改めてルール徹底を呼びかけた。畑野公昭副校長は「生徒の命を預かっている意識を持ち、リスクを極力減らす努力が求められる」と強調する。
■やむを得ない
「車で30分もあれば着くところをバスは乗り継ぎも含めると1時間以上。帰宅時間が夜9時とかになってしまう子も出てくる」
長崎市内の県立高でテニス部の顧問を務める男性教諭は、自前のライトバンで生徒を送迎している。試合や練習で日常的に通う同市の「かきどまり庭球場」は山手にあり、公共交通機関は路線バスだけで本数も少ないためだ。男性教諭は、福島での事故について「あってはならない事故」と神妙な面持ちで話しつつも、送迎をやめる選択肢は「ない」と言い切った。
県教委は部活動の遠征や移動時には公共交通機関での移動を原則とし、地理的な面など「やむを得ない事情」がある場合に限り、顧問らの送迎を許可するとした規定を設けている。ただ、競技会場は交通アクセスが悪い場所も多く、男性教諭のように現場からは「送迎なしでは到底成り立たない」との声が相次ぐ。
また、別の男性教諭は「運転手付きの貸し切りバスを手配するとレンタカーの倍以上の費用がかかる」とコスト面もネックだと訴える。離島部の学校で陸上部顧問を務めた経験があり、「船代、宿泊代に加えて交通費もかさむと保護者の負担が重くなり、遠征自体を考え直さなければいけなくなる」と苦しい胸の内を語る。
県立校では部活動の指導者が自前でマイクロバスを購入したり、大型免許を取得したりしているケースも少なくないという。県教委の関係者はこう指摘する。「生徒により良い競技環境を用意したいという先生方の善意で何とか部活動が成り立っているのが現状だ」
■教職員に講習
今月初旬の大型連休中に八つの部活動がマイクロバスなどで遠征したという九州文化学園高(佐世保市)。事故を受け、全教職員を対象にした安全講習会を取り入れる方針を決めた。講師は自動車学校関係者らを想定する。同校はマイクロバス3台を所有。遠征でレンタカーを手配するケースも珍しくない。運転は原則顧問や監督が担っており、橋之口裕太校長は「継続した講習会で安全運転と向き合う機会をつくる。安全対策の徹底は顧問を守ることにもつながる」と狙いを語る。送迎が増える6月の県高総体の前に初回を開きたいとの考えだ。
瓊浦高(長崎市)は2021年、部活動の遠征で中国自動車道を走行中のマイクロバスが単独事故を起こし、生徒らが重軽傷を負った。この事故を機に同校は運転者の事前届け出や、1人当たりの運転時間を1日6時間以内に制限するなどの校内規則を策定。以来、事故はないという。今回の福島での事故を受け、ただちに校内会議を開催。改めてルール徹底を呼びかけた。畑野公昭副校長は「生徒の命を預かっている意識を持ち、リスクを極力減らす努力が求められる」と強調する。
■やむを得ない
「車で30分もあれば着くところをバスは乗り継ぎも含めると1時間以上。帰宅時間が夜9時とかになってしまう子も出てくる」
長崎市内の県立高でテニス部の顧問を務める男性教諭は、自前のライトバンで生徒を送迎している。試合や練習で日常的に通う同市の「かきどまり庭球場」は山手にあり、公共交通機関は路線バスだけで本数も少ないためだ。男性教諭は、福島での事故について「あってはならない事故」と神妙な面持ちで話しつつも、送迎をやめる選択肢は「ない」と言い切った。
県教委は部活動の遠征や移動時には公共交通機関での移動を原則とし、地理的な面など「やむを得ない事情」がある場合に限り、顧問らの送迎を許可するとした規定を設けている。ただ、競技会場は交通アクセスが悪い場所も多く、男性教諭のように現場からは「送迎なしでは到底成り立たない」との声が相次ぐ。
また、別の男性教諭は「運転手付きの貸し切りバスを手配するとレンタカーの倍以上の費用がかかる」とコスト面もネックだと訴える。離島部の学校で陸上部顧問を務めた経験があり、「船代、宿泊代に加えて交通費もかさむと保護者の負担が重くなり、遠征自体を考え直さなければいけなくなる」と苦しい胸の内を語る。
県立校では部活動の指導者が自前でマイクロバスを購入したり、大型免許を取得したりしているケースも少なくないという。県教委の関係者はこう指摘する。「生徒により良い競技環境を用意したいという先生方の善意で何とか部活動が成り立っているのが現状だ」

