特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」第3、4日は9、10日、鹿児島県内各地で15競技が行われ、長崎県勢は長崎商高と九州文化学園高の選抜チームで臨んだソフトボール少年女子が4年ぶりに優勝(2県同時)を飾った。
長崎は9日の1回戦で北海道に9-0の五回コールド勝ち。10日は準々決勝で香川を5-1で退け、ダブルヘッダーとなった埼玉との準決勝は六回に先制を許しながらも、その裏の攻撃で2点を奪い、2-1で逆転勝ちした。競技第1日が雨天中止となり、日程がずれ込んだため、決勝を実施しなかった。
ハンドボール少年男子は今夏のインターハイ準優勝の瓊浦高単独チームで挑み、9日の2回戦で埼玉に29-28で競り勝って入賞を確定。準々決勝は岡山に30-34で敗れて5位で大会を終えた。
ライフル射撃勢は少年3種目が入賞。女子エアライフル立射の宮川莉子(長崎北高)が5位と健闘したのをはじめ、男子ビームライフル立射の森涼太(長崎南高)が6位、森と森保詩乃(長崎北高)が組んだ混合ビームライフルも6位に入った。
サーブルに出場したフェンシング成年男子は1回戦プールを3戦全勝の1位、2回戦プールを1勝1敗の2位で突破。8強入りが懸かる3回戦に進んだ。3種別が出場したテニス勢は少年男子が唯一初戦を突破したが、2回戦で敗退。ラグビー成年男子は予選プール3敗で決勝トーナメントへ進めなかった。
第5日は11日、各地で12競技を実施する。
◎県内のライバル ワンチームに
「ワンチーム」でつかんだ栄冠だった。長崎商高、九州文化学園高のメンバーで編成したソフトボール少年女子が、最終戦となった準決勝で埼玉に2-1で逆転勝ち。雨による日程変更で決勝は実施されなかったが、千葉と一緒に堂々の2県優勝を果たした。溝口監督(長崎商高教)は「ピンチの連続に投手陣が最少失点でしのいだ。打線も少ないチャンスをものにしたナイスゲーム」と賛辞を惜しまなかった。
最終戦は手に汗握る投手戦になった。先発福島(九州文化学園高)が一、二回と得点圏に走者を背負いながら、気迫の投球で切り抜けると、継投した北川(長崎商高)もピンチをしのぎ続けた。「終盤までもつれたら好機は必ず来る」。溝口監督の言葉を信じて、選手たちは粘り続けた。
その時が訪れたのは、1点を先行された直後の六回だった。五回までは無安打に抑えられていたが、先頭の7番川下(長崎商高)が左越え二塁打で出塁すると、流れは一気に長崎へ。四球と暴投で無死二、三塁と好機を広げ、9番池宮(九州文化学園高)が外角のボールに踏み込んで右前へ同点打を放った。勢いはここで止まらず、続く1番渡辺(長崎商高)が真ん中低めの直球を中前へはじき返して2-1と逆転に成功。最後は北川を中心に、みんなで1死満塁のピンチをしのいだ。
長崎商高8人、九州文化学園高5人のチーム。結成当初はぎこちなさもあったが、両校の主将の池宮と渡辺を中心に一つにまとまっていった。県内のライバルが最高の仲間となって手にした優勝。「春、夏と男子が日本一になったから、女子も頑張らないといけないですよね」。笑顔と涙で抱き合う選手たちを見ながら、溝口監督も穏やかに笑った。