西九州新幹線「利用0回」が7割 長崎県民アンケート 開業から半年、浸透途上

2023/04/08 [11:30] 公開

開業約半年間の西九州新幹線の利用回数と開業前の西九州新幹線の利用意向

 十八親和銀行系シンクタンク長崎経済研究所(長崎市)が、3月で開業から半年を迎えた西九州新幹線(武雄温泉-長崎)をテーマに県民にアンケートを実施したところ、381人が回答し、利用回数は「0回」が約7割を占めた。開業前の意向調査では、7割以上が利用に前向きだったが、「機会がない」と答えた人が多く、浸透は途上。開業効果への評価も分かれている。
 県内在住18歳以上をモニターとするウェブアンケートサイト「リサチャン」で3月上旬に実施。
 利用したことがある3割のうち、「1~2回」が19.9%、「3~4回」が6.3%、「10回以上」は2.4%、「5~9回」が1.8%だった。利用したことがない7割に、複数回答で理由を聞くと「機会がない」が最多の8割以上を占めた。開業前の2022年8月に、同じ手法で実施したアンケート(回答数414)では「ぜひ利用したい」が17.4%、「機会があれば利用したい」が59.2%だった。このことから、同研究所は「『機会があれば利用したい』層で、あまり利用が進んでいないようだ」とみている。
 開業効果について聞くと「感じている」「多少感じている」の計45.7%と、「感じていない」「あまり感じていない」の計46.2%がほぼ同数。具体的な開業効果の内容について複数回答で聞くと「テレビや雑誌で県や新幹線の特集が増えた」とする人が44.1%で、開業によるメディア露出増加を実感する人が最も多かった。
 自由記述のコメントでは、新幹線の速達性や快適性に一定の評価がある一方で、博多と直通しない「リレー方式」への不満も見られた。また同研究所は「沿線から離れると効果への温度差があるようだ」と指摘。沿線以外への波及も今後の課題となりそうだ。