「対馬博物館に保管 ベター」盗難仏像 返還実現で対馬市長

2023/03/04 [10:36] 公開

 長崎県対馬市の観音寺から盗まれ韓国に持ち込まれた仏像を巡り、比田勝尚喜市長は3日の定例市議会一般質問で、観音寺への返還が実現した場合、「一番重要なのは檀家(だんか)の総意」とした上で「できれば対馬博物館の方に寄託などをしてもらい、保管する方法が一番ベター」との見解を示した。
 「また観音寺に置いていたら取っていかれるかも分からない」などとして、返還実現後の対応を尋ねた作元義文議員(新政会)への答弁。仏像のレプリカ作成については、比田勝市長は「今後の檀家との協議事項で明確なことは言えない」と述べるにとどめた。
 仏像を巡っては、2013年に韓国当局が仏像を回収。その後、所有権を訴える韓国・浮石寺が韓国政府を提訴した。二審大田高裁は今年2月、一審判決を取り消して観音寺の所有権を認定。浮石寺は二審判決を不服として、最高裁に上告していた。
 観音寺側は取材に「現時点で返還はなされておらず先のことは考えていない」としている。