大石知事が石木ダム水没予定地を訪問…反対住民側は面会拒否 「話すことなどありません」と張り紙 長崎

長崎新聞 2025/10/10 [11:00] 公開

長崎県と佐世保市が東彼川棚町で建設を進める石木ダム事業を巡り、大石賢吾知事は9日、建設に反対する水没予定地の住民との話し合いを試みたが、住民側は面会を拒否した。

 県は事前に訪問予定を伝えたが、ダム本体の建設予定地に立つ「団結小屋」の撤去を示唆した知事の姿勢に、反対住民は反発し面会拒否の意向を伝えていた。

 同日午前、住民が工事を監視するために設けたテントは無人で「地元住民の声を聴こうともしない知事と会って話すことなどありません」と書かれた紙が貼られていた。

 大石知事は「来年度は本体工事着工に向けた発注も予定している。県民の安心安全を守る立場として、責任のある判断も必要。住民との直接対話に向け最善を尽くす」とした。

 反対住民の一人、岩永正さん(74)は「県主催のダムの技術的な疑問点に対する説明会への出席を知事に求めたが来なかった。都合の良い時だけ会いたい、とはおかしな話」と冷ややかだった。