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TopInterview

人材育成、革新、貢献—。
国内外の情勢が複数の要因によって激変する今、求められているものは何か。 新たな時代を切り開く県内企業・団体のトップ110人が、2026年の抱負や事業戦略、地域への思いを語ります。

長崎南山中学・高校

校長

西  経一

長崎南山中学・高校西  経一

所在地 長崎市上野町25-1

電話 (095)844-1572

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西  経一

命よりも大切なもの

 今朝、お祈りの時、外は静かな雨が降っていました。裏の畑に張ってある黒いシートに雨があたる音が聞こえてきます。シートには等間隔に穴が開けられてあって、今は玉ねぎの苗が植えられています。
 空から降って来る雨は、たとえば畑の玉ねぎに自分を与えてその命を育て、やがて大きく育った玉ねぎは自分の命を差し出して人の命を養い、そして、その人はまた自分以外の人の命のために自分を与える愛の力を発揮するのです。自分の命が誰かのために役立っていること、その人の喜びを生み出すものとなっていることを実感できるとき、君の命も喜び、生きがいを感じるのです。
 命はいちばん大切なものなのだけれども、だからといって、それを厳重に保管し、だれにも触れられないように密封し、閉じ込めておくようなことをしてはなりません。そんなことをされた命は悲しみの涙をこぼすことでしょう。人と触れ合うとき命はしばしば傷つきます。しかし、傷つかない命などないし、かえってその傷口があってはじめて人のやさしさが身に沁(し)みるのだし、君もまた思いやり深い人となることができるのです。
 君が命よりも大切なものと出会う日が来ることを祈っています。自分の命をかけてもいいと思うことができるものと出会うとき、君の命は裂かれて与えられ、そして鮮やかに輝くことでしょう。その裂かれて与えられ輝く命のありようを愛というのです。その出会いの日に備えて、今日を生き、愛深い者となるようお祈りします。