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Jへひた向きに再出発 昨季終盤、所属していたJ2ザスパ草津から戦力外通告を受けた。「一般企業でも『なぜおれが』という人がリストラされる時代。驚きはしなかった」。主力として活躍していた最中だったが「実力があれば残れた。ただそれだけの話」と冷静に受け止めた。 サンフレッチェ広島ユース時代、チームの中心選手として日本一に貢献した。それでもかなわなかったトップチームへの昇格。「これまで多くの挫折を味わってきた。つらいのはその一時だけ」。何度も苦い経験をしてきたから、気持ちを切り替えるのに時間はかからなかった。 新天地を探す中、昨季まで草津で一緒だった佐野達監督から声が掛かった。「長崎で一緒にやらないか」。断る理由はなかった。尊敬する監督の下で再びプレーができる。喜びがわき上がってきた。今、胸にある思いは、もう一度チャンスを与えてくれたV長崎と佐野監督への恩返し。そのためには「ピッチ上で結果を残すしかない」と強く心に刻んでいる。 もちろん、悔しさは忘れていない。見返してやりたいという気持ちもある。だが、解雇されて、JFLへカテゴリーが下がって、初めて見える景色があった。Jへの復帰を目指すベテラン、Jでの活躍を夢見る若手−。そこにはサッカーが大好きで、サッカーに飢えている選手たちがいた。 「草津の時には味わったことのない感覚だった。ひた向きに取り組む姿勢など見習わなければいけない部分も多い」。自身の再出発という点においては、最良に近い環境があった。 チームに合流して1カ月余り。ピッチには大声でディフェンスラインを統率する藤井の姿がある。プレーが止まるたびにメンバーと積極的に話し合い、監督の戦術の浸透にも一役を買っている。「ここには一緒に上を目指せる仲間がいた。目標ははっきりしている」。そう話す表情には一点の曇りもない。 (この企画は運動部・熊本陽平が担当しました) 【略歴】 ふじい・だいすけ 高校1年からサンフレッチェ広島ユース。全日本ユース選手権などで日本一を経験した。3年でU−18日本代表入り、2005年にJ1アルビレックス新潟に入団。2年後、J2ザスパ草津へ移籍した。昨季は34試合出場。今季からV長崎に加入。背番号は3。180センチ、74キロ。大阪府出身。
2010年3月1日長崎新聞掲載
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