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■インタビュー/チームドクター 秋山寛治(貞松病院副院長)
昨年11月末、石垣島でV・ファーレン長崎のJFL昇格を見届けた翌日。病院の朝礼であいさつに立った時のことだ。お世話になった看護師やスタッフの前で昇格の報告をしていると、不意に涙がこみ上げた。言葉が続かなくなった。「ありがとうございました…」。そう言って、途中であいさつを終えた。 2005年、V・ファーレンの誕生を新聞で知った瞬間、なぜか、チームドクターになるのは「自分じゃないかな」と思った。整形外科が専門。当時は、高校のスポーツ選手を主に診ていた。チームとは何のつながりもなかったが、どこか確信めいた感覚があった。すぐに、小嶺忠敏現社長へ手紙を出した。 「本気でかかわるためには必要」と、職場も変えた。リハビリ施設などが充実している貞松病院(大村市)に移り、Jリーグチームの帯同ドクターもできるように日本体育協会公認スポーツドクターの養成講習会の受講を始めた。 チームが誕生した05年から、選手のメディカルチェックや故障者のリハビリ、インフルエンザの予防接種などを担当。選手たちの相談にも乗る。信頼するトレーナーたちとともに、ほぼボランティアのような形でチームを支えてきた。学会などが重ならない限り、アウェーの試合もほとんど自腹を切って見に行った。 選手のほとんどが自分の息子たちと同じ世代。そんな選手たちと接するとき、その目は、医者だけではなく、親の目にも変わる。サッカーに懸け、努力を続ける若い選手たちが、真剣に訴えかけてくる。医者としてその思いに応えたいと思う。 「サポーターがチームの存在を生きがいだという。僕も同じ。この年齢になって、もう一つできることがあったんだなって」。4回受講しなければならないスポーツドクター養成講習会のうち、3回は既に終了。「でも、自分だけ上がるのはどうか」。チームがJFL昇格を逃し続けたのに合わせ、わざと足踏みしてきた。最後の講習会を来月受講する予定だ。 4年間、喜びも、悲しみも、悔しさも、ともに味わってきた。これからも、チームと、その夢に寄り添いながら歩いていく。(運動部・副島宏城) 【略歴】あきやま・かんじ 貞松病院(大村市)副院長でV・ファーレン長崎のチームドクター。九大理学部を卒業後、大分医科大(現大分大医学部)に入学し、医学の道へ。高校、大学時代はバスケットボールやラグビー部。佐世保市出身で、大村市在住。愛夫人との間に4男。55歳。
2009年1月27日長崎新聞掲載
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