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「本当のプロ集団に」 経営力、チーム力 試されるクラブ一丸 全国地域リーグ決勝大会決勝ラウンド(沖縄県石垣市)最終日を翌日に控えた11月29日の夕方。街を散歩していたMF原田武男の頭には、ある思いが浮かんでいた。「みんなを連れて行きたい」。土産物に並ぶTシャツが目に留まった。 その夜、買ったばかりの無地のTシャツを広げた。チーム結成1年目からともに戦ってきた八戸寿憲(長崎銀行)、税所義博(親和銀行)とチームスタッフの溝口透馬が肩を並べていた。4年間、苦楽をともにした仲間たちの多くがチームを去った。その一人一人の顔を思い浮かべながら、Tシャツの背中部分にアルファベットで彼らの名前を書き込んだ。 監督に東川昌典を迎えて戦った今季も残り1試合。結果が出ずに苦しんだ時期もあった。リーグ優勝もできなかった。しかし、決勝ラウンド第2戦を終えて、3位以内が確定。念願のJFL昇格は、すぐ手の届くところにあった。 30日、レノファ山口(山口)戦を前に2位が確定。JFL昇格が決まった。地域リーグの最後を締めくくるレノファ戦は、有明SC時代からチームを支えてきた八戸の決勝ゴールで勝利を収めた。最高の形だった。 試合後、原田は前夜に準備したTシャツに袖を通した。ともに戦った仲間たちと“一緒に”受けたインタビュー。4年間の思いが込み上げてきた。最後は言葉が詰まった。
来年3月、V・ファーレンは日本フットボールリーグ(JFL)という新しいステージで、夢への一歩を踏み出す。Jリーグを目指す全国の強豪がしのぎを削る場。V・ファーレンにとって未知の戦場だ。決勝ラウンド後、東川は「次の目標ははっきりしている。すべての面において本当のプロ集団にしていかないといけない」と決意を語った。チームだけではなく、運営するフロントも真の意味でのプロ化が求められる時が来た。 JFLの先にあるJリーグへ加盟するためには、まず準加盟クラブとなる必要がある。経営、運営体制を安定させ、さらに自治体の支援を得るなどさまざまな条件をクリアして初めて準加盟が認められ、その上でJFL18チーム中4位以内という結果を残せば、夢は実現する。 最終的にはチーム力が必要となる。だが、そのためにもフロントの強化は先決だ。このチームは、これまで多くの人たちの厚意に支えられて成り立ってきた。しかし、これから先は、甘えてばかりではいられない。 JFLを戦うためには、これまで以上に運営資金が必要となる。年会費だけで1000万円。年間34試合、うち17試合は敵地での開催だ。北は秋田、南は沖縄まで。JFL関係者によると、遠征費は少なくとも1000万−3000万円は必要。さらに強いチームをつくるために、選手の強化費も大きく跳ね上がる。 九州リーグでの4年間を土台に、観客、スポンサーに「また見たい、応援したい」と思わせるような魅力的なチームをつくることができるか。現場だけではなく、クラブが一丸となって歩んでいかなければならない。(敬称略)
2008年12月4日長崎新聞掲載
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