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解説/先を見通す力不可欠 最大限の“効果”生み出そう
長崎国体開催が正式に内定した。来月下旬には愛称とスローガンが決まり、大会マスコットも本年度中に選定される。県民の目に見える形で準備が本格化してきた。
だが、開催が5年後に迫る中、県全体の国体に対する意識が統一されているとは言い難い。全国規模の大会の開催は、競技力に限らず、経済面などさまざまな分野に大きな効果をもたらす。やる以上は、これを活用しなければ意味がない。
現在、主役となる競技者たちは、懸命に強化を進めている。そんな中、競技開催市町が4月末、県の財政支援策へ不満の声を上げた。これを受けて、県は先月末、開催市町へ交付する施設整備費の補助を約1・5倍に増額。約2カ月に及んだ論議は一応の収束をみた。
だが、そのやりとりの中で、一部の市町から「国体の主催は県、県体協、県教委の3者ではないか」という声が上がった。すべての市町がそうではないとしても、このスタンスのままでは国体成功はあり得ない。
国体で本県を訪れるのは観光目的の旅行者ではない。本県に興味があって来る人は少ない。そんな来県者とじかに触れ合うのが各競技開催地。それぞれの取り組む姿勢は、直接「長崎」のイメージとなって全国に伝わる。そこで「長崎はいい、また来たい」と思わせることができたら、どれだけメリットは大きいだろうか。
新設、整備する施設にしても、国体後の使い方次第では財産になる。1999年熊本国体の2年前、熊本県が熊本市に建設した県民総合運動公園屋内広場(パークドーム熊本)は、国体での活用と同時に、世界ハンドボール選手権誘致を視野に入れ、それを実現させた。その後も全国規模の各種大会を何度も開催している。先を見越して計画を立て、実際に行動すれば、施設を「負の遺産」で終わらせずに済む。
県国体準備委員会によると、国体の経済波及効果は約505億円。これを増やすも減らすも迎える側次第。「綿密な準備」と「先を見通す力」は不可欠といえるだろう。長崎国体の来県者は延べ100万人の見込み。50年に1度の好機を「ただの無駄遣い」で終わらせてはならない。(運動部・黒川美穂子)
2009年7月9日長崎新聞掲載
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