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全国高校総合体育大会(美ら島沖縄総体2010)
全国高校総合体育大会(美ら島沖縄総体2010)
総評/8強以上団体、個人計41
小さな体で大きな銀メダルをつかんだハンドボール男子の瓊浦。磨き上げたディフェンス力を全国で披露した=浦添市民体育館
7月28日から約3週間、沖縄県を主会場に29競技を実施した全国高校総合体育大会(インターハイ=美ら島(ちゅしま)沖縄総体2010)は8月20日に全日程を終了した。今年の県勢は戦力、組み合わせなどの点から「例年より厳しい」という監督、スタッフの声も上がっていたが、アーチェリー男子の大村工、登山男子の長崎北陽台が団体優勝したのをはじめ、8強以上に入った種目は団体13、個人28の計41。前評判を覆す活躍だった。
■戦力超えて
厳しいといわれた状況の中でも、団体の8強以上は昨年の12を上回った。14年に地元国体を控える本県にとって、得点配分が大きい団体競技の活躍は好材料と言える。
今回の団体上位進出校は、いずれも大健闘の結果を残した。準優勝したフェンシング女子の諫早商、ハンドボール男子の瓊浦、空手男子組手の佐世保北など、好成績を残したチームに共通していたのは、固い結束力だ。
これらのチームは本気で日本一を目指し、一人一人の志が高かった。全員が同じ方向を向いて努力を重ねていくと、自然と一体感が強くなる。「この仲間と一緒に勝ちたい」という思いが、戦力を超えた“力”を引き出しているようにみえた。団体戦には「結束」が欠かせない要素だとあらためて実感した。
3位入賞した剣道女子団体の島原、バレーボール女子の九州文化学園は伝統校の誇りを見せてくれた。島原は昨季、インターハイを含む全国3冠を達成。九州文化学園も昨年までの12年間で10度の4強入りを果たしている。逆にとらえれば重圧になりかねないが、両校の今季メンバーも、それを力に変えるすべを体得していた。島原の渡邉監督の「昨年の日本一と同じくらい価値がある」という言葉は印象に残った。
■目標は同じ
強さが際立ったのはアーチェリー勢。男子団体の大村工が大会史上初の2連覇を達成し、個人も大村工の石丸、塩本が金、銀メダルを独占した。女子団体の佐世保商も初出場で3位入賞。県アーチェリー協会のヘッドコーチを務める諫早東の藤原監督は「高校の強化は予定通りに進んでいる」と自信を深めた様子だった。
「県アーチェリー協会は小さな組織だから」と藤原監督は謙遜(けんそん)するが、大束理事長を先頭に、強化について一本筋の通った理念でまとまっているという。「各指導者の考えに差異はあっても、目指すところは一つ」(藤原監督)。競技団体も一つのチーム。「結束力」はここでも結果を出した。
このほか、8枚の賞状を獲得した陸上、個人優勝を出したフェンシングと柔道、2種目入賞した自転車など、長崎国体に向けての強化が結果に表れてきた競技も多かった。
■高い目線で
一方、男女とも2年連続で初戦敗退したバスケットボールなど、このところ低迷が続く競技もある。競技特性や環境面などから、強化が思うように進まない状況もあるだろう。だが、他県のチームや他競技から学ぶなど、浮上の糸口をつかむ方法はあるはずだ。
ハンドボール男子の瓊浦は、スタメン平均身長167センチの小さなチームながら、最初から自分たちの可能性を否定しなかった。スピードやディフェンス、メンタル面などを磨き、ハンディをみんなで補い合いながら全国2位へ駆け上がった。
それでも、選手たちは決勝後「日本一になりたかった」と泣いた。「小さくてもやれるところを見せたい」という目標は十分に達成できたようにみえたが、誰も満足していなかった。見据えていた目線の位置は、こちらが考えているよりも、ずっと高かった。
あきらめずに高い志を持ち、地道に努力を重ねていく。瓊浦のようなチームが一つでも多く現れることを願ってやまない。
2010年8月22日長崎新聞掲載
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