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がんばれ県勢!! 北京五輪

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城知哲の北京日記
 
番外編
 男子マラソン残念無念

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派手な演出で国家をアピールした閉会式=国家体育場
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ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が9秒69の世界新をマークした陸上男子100メートル決勝。スタジアムが揺れた=国家体育場
 8月上旬から約20日間、夏季五輪取材のため北京市に滞在した。約1年3カ月前、共同通信加盟社代表団の一員として訪問していた場所ではあったが、街の変ぼうぶりをはじめ、人々の対応、マスコミの在り方など考えさせられることは多かった。期間中、紙面に掲載できなかった話題をいくつか紹介する。

▽困ったドイツ人

 8月5日、熊本日日新聞のH記者、宮崎日日新聞のT記者とともに、福岡発−大連経由−北京着の飛行機に乗り込んだ。3人とも「1人は不安」という情けない理由で団体行動にしたのだが、胸中は「さて、どうなることやら」という不安の方が大きかった

 アクシデントはすぐに起きた。大連で入国審査を終え、再び搭乗したのだが、なかなか離陸してくれない。機内アナウンスが流れた。「五輪に出場するドイツ水泳チームの選手4人が戻っていません、しばらくお待ちください」

 冷房の効きが悪い機内で待つこと約1時間。ようやく、4人が戻った。「何やってたんだか」。ぐったりしながら、文句を言う乗客。が、ドイツ人はおかまいなしだ。チームメートが歓声を上げながら、4人を出迎えている。謝罪は、ない。歌まで聞こえてきた。「こいつら、絶対弱いですわ」。宮日のT記者が言った。その通りだった。大した結果は出ていなかった。

▽価値あるメダル

 今大会、個人的に印象に残ったメダルがある。陸上男子四百メートルリレーだ。熊本県出身の末続慎吾選手(ミズノ)が第2走者を務め、男子トラック種目として史上初のメダルを獲得した。

 取材を通して再確認できたのだが、やはり、五輪のメーン競技は陸上だった。9万人収容の国家スタジアム(愛称・鳥の巣)が揺れた。その場に立ち会えたことは、本当に幸せだった。

 ただ、その後が大変だった。熊日のH記者の手伝いのため、選手を取材する「ミックスゾーン」で場所取りをしていたのだが、なかなか選手が戻らない。五輪の取材手法は「映像の後に新聞」という決まりがあるため、映像が長引いていたのだ。まあ、そこまでは理解できる話だった。

 だが、民放テレビの合同取材が終わった後だった。選手たちは大勢の新聞記者が待つ方向へ歩きだしたのだが、また1人、そこでストップをかけた人物がいた。某局の午前中の番組を担当しているパーソナリティーだった。締め切り時間が迫っているため、色めき立つ新聞記者。誰かが叫んだ。「何やってんだよ、ヅラ、オヅラ!」。ちょっとだけ、場が和んだ。

▽もしも早ければ

 極めて残念だったのが最終日の男子マラソン。レース前日の夕方、大崎悟史選手(NTT西日本)が出場を断念した。男子マラソンの補欠は諫早高出身の藤原新選手(JR東日本)。すぐに、選手村にいる森岡紘一朗選手(富士通)に電話を入れた。彼は男子20キロ競歩に出場した後、各種目の補助などでチームに帯同。聞くところによると、1カ月ほど前から状態が悪かったらしい。

 「それはないよね。もうちょっと早ければ、いや2日前でも、藤原君なら飛んできたよ」と冗談交じりに話をふってみた。藤原選手の高校時代の後輩でもある森岡選手が言った。「やりかねませんね、あの人なら。僕も藤原さんに給水をしたかったです」。実に惜しまれる結果になった。

▽祭典に立ち会う

 北京滞在中、言葉の壁などに阻まれ、思い通りの取材活動ができなかったのは事実だ。ある地方紙の記者は、タクシーの運転手に100元(約1500円)を手渡して「ちょっと待っててくれ」と頼んだが、戻ってみるといなかった、ということもあった。

 ただ、そんなアクシデントも含めて、すべてが五輪取材だった。それも、ソウル以来、20年ぶりの国威発揚型五輪である。滞在中は「早く帰りたいな」という思いもあったが、大国が威信をかけて演出した祭典に立ち会えたことは、私にとって大きな財産になった。

 帰国の飛行機の中、H記者、T記者と思いが一致した。

 「ロンドンにも行かせてくれないかな」と。

2008年9月3日長崎新聞掲載



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