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がんばれ県勢!! 北京五輪

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城知哲の北京日記
 
人類最速にしびれた夜
 スポーツ観戦は生が一番

写真
人類最速決定戦にわき上がるスタジアム=国家体育場
 しびれた。世界陸上の中継で発する俳優の言葉と同レベルの表現で申し訳ないが、鳥肌が立った。陸上男子百メートル決勝。ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が9秒69の世界新記録で目の前を駆け抜けた。9万人収容のスタジアムが揺れた。

 今大会、どうしても生で見たかった種目だった。陸上競技の華というよりも、五輪の中でも注目度が最も高い「世界最速の男決定戦」。この機会を逃しては、二度と立ち合えることはないかもしれない。仕事を早めに切り上げ、午後10時(現地時間)すぎ、国家体育場に到着した。

 ちょうど女子七種競技の最終種目、八百メートルの最中だった。走り終えた選手たちが、最終順位が表示される電光掲示板を見詰める。結果が出た。歓喜と落胆の涙が交錯した。その後だった。全員が互いの健闘をたたえながら、トラックを一周したのだ。勝者も敗者も一緒になっての“ウイニングラン”。国境を超えたアスリートの一体感があった。まず、この場面で心が震えた。

 そして、お目当ての男子百メートル。スタジアム全体が極度の興奮状態にある中、196センチの長身スプリンターが人類最速の称号を得た。つい興奮してしまい、記者仲間に「初めて見たよ、きたっーていう感じだった」と訳の分からない電話を入れた。ふっと、気づいた。当然である。世界新なのだから…。

 野球場の外野席などで踊り狂ったり、大きな旗を振り回したり、笛や太鼓を鳴り響かせたりする応援行為は、以前から好きではない。せっかく競技場に足を運んだのだったら、プレーヤーであれば一流選手の一挙手一投足を見て勉強を、応援であってもプレーに対しての称賛と正しいブーイングを、と常々思ってきた。

 そんなスポーツ本来の姿が、世界のトップアスリートが集う五輪の舞台にあった。やはり、スポーツ観戦は生が一番。選手と会場の一体感に酔いしれながら、あらためてそう感じた夜だった。(本社運動部次長)

2008年8月18日長崎新聞掲載



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