がんばれ県勢!! 北京五輪トップ > 関連記事
総評/県勢 内村は銀2、山口、大束も健闘
北京五輪で日本選手団は金9、銀6、銅10、メダル総数25で全日程を終えた。
県勢も体操男子の内村航平(19)=日体大=が銀メダル2個を獲得するなど、各競技で入賞者が相次いだ。
◇体操のエースに
内村は団体総合予選、決勝とも各種目で高得点をマーク。空中姿勢の美しさは群を抜いており、銀メダル獲得の原動力となった。個人総合も、1984年ロサンゼルス五輪優勝の具志堅幸司以来、24年ぶりのメダルとなる2位入賞。種目別床運動は5位に終わったが、名実ともに体操ニッポンのエースに成長した。次回のロンドンでは、県勢初の金メダル獲得も期待できる。
野球の杉内俊哉(27)=ソフトバンク=は先発として2度登板。第3戦のオランダ戦で7回無失点の好投を見せると、準決勝の韓国戦も4回2/3を1失点で切り抜けた。結果は4位と振るわなかったが、杉内の力は十分にアピールできた。
バドミントン男子ダブルスの大束忠司(30)=トナミ運輸=は大健闘だった。2度目の出場で初の五輪1勝を挙げ、5位入賞を果たした。競泳女子の山口美咲(18)=近大=も八百メートルリレーで7位入賞。陸上男子20キロ競歩の森岡紘一朗(23)=富士通=は16位に終わったが、初めての五輪で最後まで攻めの姿勢を貫いた。次回につながるレースになった。
バレーボール男子の朝長孝介(28)=堺=は1次リーグ5戦全敗、サッカー男子の吉田麻也(19)=名古屋グランパス=も予選リーグ3戦全敗で大会を終えた。ともに厳しい現実を突きつけられたが、この肌で感じた大舞台の経験を、朝長は今後の指導者人生、吉田は選手人生に生かしてもらいたい。
◇競技日程に疑問
今大会、懸念されていた交通渋滞による輸送問題は、中国当局の北京市内車両進入制限などで比較的スムーズにいった。だが、バレーボール男子は1次予選5試合中3試合が午後10時(現地時間)試合開始で、終了時間は深夜。選手たちのコンディションづくりに影響があった。
朝長は「確かに難しかったが、言い訳になる」と否定したが、競泳の決勝も異例の午前中実施となるなど、テレビ放映時間に合わせた競技日程には疑問が残った。
また、ロンドンで実施競技から外れる野球に対しても、選手団の中から不満の声が上がった。日本の野球チームは選手村に入らず、北京市内のホテルに宿泊。他の選手と別行動をとった。だが、今回はプロ野球選手としてではなく、あくまでもJOCから派遣された日本選手団の一員。どんな理由があるにせよ、他の選手と同じ条件を享受すべきではなかったか。
中国や欧州での野球人気は極めて低い。球場の報道陣も大多数が日本人で、芸能人の“にわかリポーター”の姿も目立った。果たして、これが他国のメディア、選手の目にどう映るか。8年後に東京五輪が実現したとしても、この現状で賛同を得るのは難しいのではないだろうか。もう一度、選手をアマチュアに戻すなど抜本的な見直しをしてから、存続の声を上げてもらいたい。
◇五輪の意義実感
17日間にわたる世界最大のスポーツの祭典が終わった。開会式当日、ロシアのグルジア侵攻など各方面で物議を醸す問題もあったが、選手たちが全力を尽くし、互いの健闘をたたえ合う姿は、やはり印象的だった。平和の下にスポーツがあり、スポーツが友好をはぐくむ。肌や目の色、言葉が違う選手たちの心の交流。あらためて五輪の意義を教えてもらった。
4年後のロンドン。この素晴らしい舞台に、一人でも多くの県勢が立つことを祈りたい。(北京=本社運動部・城知哲)
2008年8月25日長崎新聞掲載
|