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第9日/「失格」で泣き崩れた夏から5年 森岡、堂々世界で一歩
【北京=本社運動部・城知哲】5年前の夏、長崎ゆめ総体の場で泣き崩れた少年が、たくましい青年となって五輪の大舞台に立った。十六日、陸上男子二十キロ競歩に出場した諫早市出身の森岡紘一朗選手(23)=諫早高−順大−富士通=。結果は16位だったが、スタンドから見守った母、五十鈴さんは息子の成長に目を細めた。「成績は皆さんに申し訳ないが、あの子がこんな舞台に立てるなんて…」。声が震えた。
諫早高3年で臨んだ長崎ゆめ総体の五千メートル競歩。トップゴールしながら、直後に歩型違反で失格を宣告された。笑顔で指を天に突き上げたゴールシーン、歓喜と涙のスタンド…、すべてが幻に終わった。
あれから5年。地元の仲間たちの目の前で屈辱にまみれた少年は、その悔しさ、情けなさを忘れず、一歩一歩、階段を上がってきた。「世界に通用する選手になってみせる」。強い思いが、この日につながった。
今大会の競歩は、一度競技場の外に出て、最後に再び競技場内でゴールするコース。五十鈴さんら家族は、スタンドで森岡選手の帰りを待った。「一度、競技場に入ったら、再入場ができないと言われたので、スタンドで待つしかなかった。待つ時間が長かった」。スタートから約1時間後、息子の姿が見えた。「何か感動的だった」。胸が熱くなった。
高校時代の恩師、諫早高の松元利弘監督も教え子の健闘に賛辞を惜しまなかった。「あのゆめ総体の失格から、ここまでコツコツ努力を重ねて五輪の舞台に立った。すごい成長だ。この経験を次に生かしてほしい」
高校時代に見た“ゆめ”の続きは、北京を経て、4年後のロンドンで集大成を迎える。
2008年8月17日長崎新聞掲載
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