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地域で支える
  ひたむきな姿を活力に


 清峰が甲子園出場を決めた24日夜、北松佐々町文化会館。優勝報告会の来場者は千人を超え、会場の外にも人があふれた。「物心両面でご支援をお願いすることになると思う。力を合わせて選手を送り出しましょう」。同窓会会長の佐藤勝廣(60)は、興奮を抑えつつ協力を呼び掛けた。

 北松地域からの甲子園出場は初の快挙。その喜びとは裏腹に、資金の確保という現実が立ちはだかる。かつて炭鉱で栄えた地域も今は大きな企業が少なく、景気も依然厳しい。部員の旅費や滞在費、応援生徒の派遣費など、数千万円ともいわれる金をどうやって集めるかが最大の課題だ。

 野球部OB会はこれまでも企業や個人から寄付を募り、バッティングマシンやボール、ユニホームなどを贈った。「今回はけたが違う。手当たり次第、足で稼ぐしかない」。幹事長の錦戸正明(63)は頭を抱えながらも、「監督、選手を見ていると、黙ってはいられませんから」。自身に言い聞かせるように話す。

 優勝の翌日、特別後援会が発足した。会長は北松南高卒で地元佐々町長の関耕二(64)。「選手に何の心配もさせることなく、甲子園で伸び伸びとプレーさせたい。地域が一丸となって送り出そう」と述べた。

清峰の優勝報告会
清峰の優勝報告会には1000人を超える町民らが詰め掛けた
 清峰には県北全域から生徒が集まって来る。PTAや野球部保護者会などをはじめ、残る北松地域10カ町村の首長や、佐世保、平戸、松浦の3市長らも特別顧問、名誉特別顧問として特別後援会に名を連ねた。

 北松地域は市町村合併による自治体再編の真っただ中にある。中でも佐々町は小佐々町との合併が破たんし、先月には町長、町議の出直し選挙が行われるなど揺れに揺れた。合併の枠組みをめぐり、首長や住民の間に生まれた確執は、完全に解消されたとは言い難い。

 関は「周辺自治体との信頼回復」を掲げ、出直し町長選で前職を破った。「地域を挙げて清峰を応援することが、そのきっかけになればいいが」と期待する。小佐々町長の久保田寛美(59)も「合併では一緒になれなかったが、それは関係ない。スポーツを通して子どもたちが立派に成長しているのだから、応援しないわけにはいかない」

 「小さな町の学校でも夢を持ち、努力すれば甲子園に行ける。そのひたむきな姿は地域、住民の自信につながるはず」。佐藤は言う。地域は清峰に学び、清峰はその力に支えられ、ともに夢舞台に立つ。(この企画は運動部・西隆志、江迎支局・古池基行が担当しました)

 (文中敬称略)

2005年7月30日長崎新聞掲載