総評/大村・東彼、厚い選手層光る
 第54回郡市対抗県下一周駅伝大会は18―20日、長崎市の長崎新聞社前発着の40区間、403・2キロのコースで11チームが熱走リレーを展開。大村・東彼が他を圧倒する強さで3日間連続日間首位、累計21時間15分4秒の大会新で3年ぶり14度目の優勝を飾った。女子総合は対馬が54分5秒でV2達成。前回から32分31秒短縮して躍進賞も獲得した。6連続区間賞をマークし男子MVPに輝いた森(諫早高)、女子MVPの末吉(西大村中)をはじめ、将来の日本長距離界を担うような逸材が台頭するなど、実りの多い大会だった。

力走する選手
郷土の代表11チームがたすきをつないだ第54回郡市対抗県下一周駅伝大会。最長区間の最終日1区を力走する選手=小浜町
 大村・東彼は選手層の厚さで群を抜いていた。全40区間で区間賞を14個獲得。第2日の11区土橋(日大)、13区馬場(大東文化大)をはじめ、森宗(中大)ら大学生が全国レベルの力を見せた。第2日終了時点で2位に20分7秒の大差。早々に勝負を決めた。

 主要区間を担ったコマツ電子金属、陸自大村勢。さらに中学区間を完全制覇したジュニア勢など各年代層に駒がそろっていた。また、野口康之総監督(九州電通)を中心に監督、選手が「前回、レース終盤に競り負けた悔しさを晴らそう」と一致団結していたことも勝因だった。意識の高さが独走につながった。

 V争いの興味は第2日で薄れたが、三つどもえの2位争いはレースを熱くした。

 西彼は前回の主力が抜け、レース前の評価は低かった。一時は4位に後退するなど我慢のレースとなったが、テーマ通りの「辛抱強くたすきをつなぐ」で2位をつかんだ。流れを呼び込んだのが森。最終日15区。最大の難所、日見峠の戦いは圧巻だった。土橋、鷲尾(三菱重工長崎)ら強豪相手に真っ向勝負を挑み、堂々の区間賞を獲得。卒業後は中大に進学。さらなる飛躍が期待される。

 V2に挑んだ長崎は、頼みの三菱重工長崎勢の不振や選手層の薄さが響いて3位に終わった。ただ、井手正文総監督(長崎市北消防署)の「若手育成」の方針の下、実力が未知数の18―22歳の若手を積極的に起用。第2日4区で区間賞の山下(長崎工高)、三浦、若杉(ともに瓊浦高)らが結果を残した。若い芽は育ちつつある。

 北松・松浦は大会を盛り上げた。第2日1区で区間賞を獲得した宮崎(拓大)をはじめ、谷本(法大)ら箱根駅伝経験者が好走。最終日2区で累計2位に浮上するなど「3強崩し」の期待も膨らんだ。結果は4位だったが、来季以降につながるたすきリレーだった。

 5位佐世保も健闘した。田中(筑波大)は第1日6区区間賞、最終日1区で区間3位と大車輪の活躍を見せた。新生「五島」は離島勢トップの6位。山川(五島高職)ら新戦力の活躍も大きかった。7位南高・島原は若手が伸び悩んだが、伊達(コマツ電子金属)が期待通りの走りを見せた。8位壱岐は壱岐高勢の活躍もあり順位を一つ上げた。9位対馬は扇(十八銀行)を軸に目標の女子総合V2を達成した。

 10位以下の諫早・北高、平戸は見せ場をつくれなかったが、最後まで懸命にたすきをつないだ。諫早・北高は牛水(諫早高)、平戸は末吉直(陸自竹松)らの力走が光った。

 残念な事故が発生した。第2日の第4中継所(北松佐々町)で、アップ中の選手と軽乗用車が衝突。幸い、軽傷ですんだが、あらためて選手の安全対策の再点検を考えさせられた。

 県下一周駅伝は次代を担う中、高校生が、実業団、大学のトップ級と接する絶好の機会。本県長距離界発展を支えるジュニア強化につながっている。今後、ジュニア層が幅広く参加できるようなシステムを構築できれば、大会はより発展していくだろう。

 女子区間増設の声も現場で多数上がった。現在は最終日の4区間だけだが、3日間通じて参加できれば、県外の大学生、実業団選手の参加も増えるかもしれない。これまで以上に華のある大会にするためにも、主催者側として検討を重ねていきたい。(運動部・西 隆志)


2005年2月22日長崎新聞掲載