大村・東彼は1区村山(コマツ電子金属)が4位と出遅れたが、3区延壽寺(諫早高)の区間2位の好走で首位に浮上。その後は一度も先頭を譲らず、3日連続日間首位で栄冠を勝ち取った。 西彼と長崎は終盤まで激しい2位争いを展開。長崎が14区まで累計8秒リードしていたが、西彼は15区森の区間賞で逆転。最後は長崎に1分6秒差をつけてゴールした。長崎の連覇はならなかった。北松・松浦は健闘の4位。以下、佐世保、五島、南高・島原、壱岐、対馬、諫早・北高、平戸が続いた。 【評】大村・東彼は最終日も安定したレース運びを見せた。第51回大会でマークした大会最高記録を約3分更新。2位西彼に累計25分38秒の大差をつける会心のレースだった。 大村・東彼は1区を4位でスタートすると、その後も取りこぼしなくリレー。3区延壽寺(諫早高)で首位に立った。区間賞は7区井手(波佐見中)、9区吉川(大村中)、13区末吉(西大村中)の3個にとどまったが、大きなブレーキもなく、3区以降は一度も首位を譲らなかった。 西彼と長崎の累計2位争いは終盤までもつれた。西彼は諫早再スタートの12区で逆転を許したが、15区森(諫早高)で再逆転。そのまま長崎を振り切った。森は大村・東彼の土橋(日大)長崎の鷲尾(三菱重工長崎)ら強豪を抑え、自身の連続区間賞記録を6に伸ばした。 長崎は山口(久保工業)中ノ瀬(三菱重工長崎)のシニア勢の区間賞、12区藤田(十八銀行)の好走などで粘り強くつないだが、西彼に累計1分6秒及ばなかった。 4位の北松・松浦は1、2区の谷本(法大)松尾(東農大)の大学生コンビの力走で一時は累計2位に躍り出たが、中盤以降に失速した。5位佐世保は1区田中(筑波大)の区間3位、6位五島は1区山川(五島高職)の区間賞の力走が光った。南高・島原は6区伊達(コマツ電子金属)の区間賞もあり、前日から順位を一つ上げて7位に入った。 8位の壱岐は4、5区の市山、横尾(ともに壱岐高)が区間2位と好走したが、南高・島原にわずか10秒及ばなかった。9位対馬は12区扇(十八銀行)の区間賞の活躍で女子V2を達成。10位諫早・北高、11位平戸は本来の力を出し切れなかった。 “本命”の実力発揮 14区間賞 大村・東彼
野口康之総監督(九州電通)が「選手たちが与えられた区間でしっかり仕事をしてくれた」と言うように、有力な大学生などをそろえた強力メンバーが、持てる力を存分に発揮。3日間、崩れずにたすきをつなぎ、ライバルたちを突き放し続けた。区間新2を含む14区間賞。結果、3年前にマークした大会記録も3分2秒更新した。 前回は、数人が体調を崩すなど本来の力を出せずに2位に終わった。周囲から「優勝間違いなし」と評されたメンバーをそろえたことで、野口総監督は「気の緩みもあった」と言う。だが、今回は違った。大会前、期間中、出走前に選手の状態を確認。「自己管理も各自で徹底。ミーティングでも意識しあった」(川口=諫早高) 力のあるチームが前評判と大量リードに浮かれなかった。「全員がゴールテープを切るまで、優勝と大会新を狙って気持ちを切らさなかった」(馬場=大東文化大)。最後の最後まで挑戦者。その姿勢と「チームに携わった全員の力」(野口総監督)で勝ち取った大会新Vだった。(副島) 高校生が3年連続で区間賞 西彼チーム
序盤から高校生がチームを引っ張った。3区福島(青雲高)から、川口(鎮西学院高)宮上(瓊浦高)まで3連続区間賞。第2日3区に続いて区間賞に輝いた福島は「自分たちで勢いをつけたかった」と会心の笑顔を見せた。 一般男子でチーム最年長、35歳の田平(生協コープ長崎)も意地を見せた。11区で自身初の区間賞を獲得。「高校生ばかりに任せていられない」と充実感をにじませた。 圧巻は大学トップランナー土橋(日大)に競り勝った15区森(諫早高)だった。アップダウンの激しい難所、15区の日見峠越えを自ら志願。諫早高監督の松元利弘監督からの「高校最後に日見峠をクリアしてから卒業しろ」というげきも励みになった。男子MVPも獲得した森は「すごい選手と一緒に走れて楽しかった。苦しかったが、いつまでも走っていたかった」と目を輝かせた。 来年からは市町村合併でチームの枠組みが変わる。川田総監督は「枠組みが変わっても、若手を生かす西彼らしい駅伝を続けたい。来年はもっといいチームをつくる」。伝統を受け継いだチームが、再び熱走ドラマの主役になる日を楽しみに待ちたい。(田下) エース扇がけん引 V2の対馬女子
女子は昨年の優勝メンバー4人のうち、2人が抜けた。周囲からは「昨年より戦力がダウンしたのではないか」との声も聞かれたが、米田総監督が「初出場の2人も力があることは分かっていた。心配していなかった」と言うように、昨年の優勝タイムと7秒差の好タイムを出した。 昨年は「奇跡を起こそう」とメンバーを鼓舞したチームリーダーの扇は「今年は連覇を狙おうと声を掛け合った。中学、高校勢の頑張りがあってこその優勝です」と自身の区間賞より、若手の頑張りを強調した。 大会前は20分の短縮を予想していた米田総監督。「32分というのはすごい。小川(西海学園高)大森(豆酘小教)がいいポジションでたすきをつないでくれたおかげで、流れができ、土肥(対馬南警察署)沖中(対馬北警察署)らベテランの走りがチームを引き締めた」とレースを振り返った。 都会チームのように大幅な戦力補強はできないチーム事情だが、米田総監督は「一人ひとりがレベルを上げて、また来年も今年より上を狙いたい」とさらなる躍進を誓った。(山口) 末吉MVP 中学生で初
トップと37秒差の3位でたすきを受けた末吉は、序盤から積極的にレースを展開。先輩たちに一歩も譲らない堂々の走りを披露した。 昨年11月の県中学駅伝1区で区間賞。1月の雲仙・小浜ハーフマラソン中学女子3キロも制するなど、昨秋から本県陸上界で脚光を浴びるようになった。今回も「区間賞を取る自信はあった。この賞を励みに全国でも通用するランナーになりたい」。走るたびに結果を出し続ける将来の県代表候補は、照れ笑いしながらも、しっかりと自分の目標を見定めていた。 最長1区制した五島・山川 五島に縁もゆかりもなかった男が、名実ともに五島チームのエースになった瞬間だった。前回、長崎から出場してMVPを獲得した山川貴広(五島高職)が、大会最長の1区(19・2キロ)で区間賞を獲得。「これでチームの一員になれた気がします」とさわやかな笑みを浮かべた。 長崎市出身。過去5度の出場は長崎から。優勝を争う強豪から一転、今回は「6、7番で御の字という雰囲気」のチームからの出場となった。 新生「五島」を累計4位に押し上げたい。今回はその思いだけだった。前夜のミーティング。「狙うのは4位です。僕が足掛かりをつくります」と宣言した。 大きな事を言った以上ぶざまな走りはできない。序盤から力強いピッチを刻んだ。4キロすぎで抜け出すと、瓊浦高の先輩村山(コマツ電子金属)の「遠慮せずにいけ」のげきで、さらにペースアップ。一気にシーサイドコースを駆け抜けた。 残念ながらチームは6位に終わったが、山本八郎総監督(自営業)は「最後まであきらめない彼の姿勢がチームに新風を吹き込んだ」と賛辞を惜しまなかった。 五島高の臨時採用は今春まで。来季の所属先は未定だが、山本総監督は「島にいてほしい」。逆に長崎の井手正文総監督(長崎市北消防署)は「山川が帰ってくるはず」と期待している。 早くも長崎と五島の間で始まったエース争奪戦。「優勝争いもしたいし、僕を必要としてくれるチームの力にもなりたい」。山川はうれしい悩みに頭を抱えていた。(西)
2005年2月21日長崎新聞掲載
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