大村・東彼が首位堅持   V奪回へ王手


累計で2位長崎に20分7秒の大差をつけた大村・東彼。ガッツポーズでゴールに飛び込むアンカー馬場昭一(大東文化大)=小浜町
 第54回郡市対抗県下一周駅伝大会第2日は19日、平戸市―南高小浜町の13区間、149・5キロで行われ、大村・東彼が7時間44分46秒で2日間連続日間首位を獲得。累計でも2位長崎に20分7秒の大差をつけて、3年ぶりの総合優勝へ王手をかけた。

 大村・東彼は区間新をマークした11区土橋(日大)、アンカー馬場(大東文化大)をはじめ、7人が区間賞を獲得するなど高校、大学生が好走。コマツ電子金属、陸自大村勢なども区間3位以内でつないだ。

 長崎は4区山下(長崎工高)、7区三浦(瓊浦高)の区間賞などもあり、累計2位をキープした。西彼は3区福島(青雲高)の区間賞、5区本山(西彼陸協)の区間2位の力走などで日間2位、累計でも3位へ浮上。長崎との累計差を1分9秒に短縮した。北松・松浦は1区宮崎(拓大)が区間賞で滑り出したが、中盤以降に失速して累計4位に後退。以下、累計で佐世保、五島、壱岐、南高・島原、対馬、諫早・北高が続いた。

 平戸は5区の選手がアップ中に交通事故に遭い、出走取りやめ(記録は途中棄権=同区間の最下位タイムに5分を加えたタイムが区間記録)になったことが響き、11位に後退した。

 最終日は20日午前8時に南高小浜町をスタート。長崎市の長崎新聞社までシニア、女子区間を含む16区間、127・3キロで競う。

 【評】大村・東彼は土橋(日大)馬場(大東文化大)の大学生コンビの活躍などで2日間連続の日間首位を獲得。総合優勝をほぼ手中にした。長崎、西彼も粘り強くつないだが、挽回(ばんかい)が困難な差をつけられた。

 大村・東彼は序盤から主力のコマツ電子金属、陸自大村勢で主導権を握り、6区延壽寺(諫早高)の区間賞で後続との差を広げた。終盤の大村再スタートからは、土橋が2位に1分56秒の差をつける区間新で飛び出すと、13区馬場も区間新の快走で締めくくった。

 長崎は序盤こそ出遅れたが、4区山下(長崎工高)、7区三浦(瓊浦高)の区間賞でリズムを取り戻した。9区俵屋(長崎警察署)ら中軸も期待通りの力を発揮、累計2位をキープした。西彼は3区福島(青雲高)の区間賞でリズムをつかむと、11区佐々木(関西学院大)、アンカー吉井(第一工大)の区間3位の力走などで累計3位へ浮上。長崎との累計差を1分9秒に縮めた。北松・松浦は1区宮崎(拓大)の2日間連続区間賞で好発進。中盤以降に失速したが、アンカー森田(大東大)の区間2位の粘走で西彼との累計差を1分54秒にとどめた。

 佐世保は累計5位をキープ。五島は8区池田(瓊浦高)の区間賞などで佐世保との累計差を48秒まで詰めた。壱岐は2日間で27分12秒躍進して7位。南高・島原、対馬も第1日の順位を守った。平戸は交通事故の影響で11位に後退したが、10位諫早・北高との差は20秒。最終日に望みをつないだ。



 大学生2人がともに区間新 大村・東彼


第11中継所。大村・東彼の11区土橋(日大・左)が12区前濱(陸自大村)にたすきリレー=諫早市
 大村・東彼の誇る大学生ランナーが、全国レベルの走りを見せつけた。11区土橋(日大)と13区馬場(大東文化大)が、そろって区間新を樹立。ライバルたちに背中さえ見せない会心のレースを演出すると同時に、3年ぶりの総合優勝をぐっと手元へ引き寄せた。

 土橋は「せっかくの地元。いい走りを見せたかった。区間新は出さないといけないと思っていた」。大学の合宿を終え、この日の昼すぎに現地入りする強行日程だったが、それをまったく感じさせない快走。スタートから飛び出す“ひとり旅”で、従来の記録を12秒更新した。前回、同区間で区間2位に甘んじた雪辱も晴らした。

 土橋の走りは馬場を刺激した。11区の区間記録は馬場が3年前の諫早高時代につくったもの。「最初は狙っていなかったが、土橋が塗り替えたと聞き、自分もと意識した」。大学入学後、2年間は故障で県下一周から遠ざかっていた馬場。「存在感をアピールしたい」という強い思いも、13区の14年ぶりの記録更新につながった。

 ライバルたちをはるか後方に追いやった大村・東彼。3年前につくった大会記録(男女総合)更新も見えてきた。「記録を狙うために最終日はベストメンバーで臨む」と野口康之総監督(九州電通)。どこまで差を広げ、どんなタイムでゴールするのか。勢いは、もう止まりそうにない。(副島)



 白熱! 三つどもえの2位争い

 大村・東彼は独走状態になったが、2位争いは白熱してきた。累計で2位長崎と3位西彼は1分9秒差。北松・松浦は累計4位に後退したが、長崎との差は3分3秒。三つどもえの戦いは最終日にもつれ込んだ。

 長崎は序盤に出遅れたが、4区山下(長崎工高)、7区三浦(瓊浦高)、12区小柳(長崎南山高)が区間賞を獲得。高校生トリオが流れをつくり、累計2位を守った。

 西彼は3区福島(青雲高)が区間賞の力走。振るわなかった全国都道府県対抗駅伝(1月・京都)の雪辱を晴らすような好走でチームを勢いづけた。アンカー吉井(第一工大)ら後続も安定した力を発揮して、累計3位に浮上した。

 北松・松浦は1区のエース宮崎(拓大)が、区間新まで1秒と迫る好タイムで区間賞を獲得。中盤に順位を落としたが、アンカー森田(大東文化大)が西彼のエース吉井とのデッドヒートを制して日間4位でゴール。最終日に望みをつないだ。

 長崎の井手正文総監督(長崎市北消防署)は「大村・東彼の完全Vを阻止することが昨年王者の意地。トップしか見えていない」と強気の姿勢を崩さない。対する西彼の川田孝司総監督(浦上自動車学校)は「この勢いで2位を狙う。最後まで食らいつきたい」、北松・松浦の北川一郎総監督(吉井町役場)も「我慢の一日だった。最終日に全力を注ぐ」と一歩も引かない構えだ。

 最終日はシニア、ジュニア、女子も含めた総力戦。果たしてどのチームが抜け出すか。最後まで目が離せないレースが続きそうだ。(田下)



 南高・島原の小川選手 マネージャーから復帰ラン

 一度は競技をあきらめていた青年が、日の当たる舞台に戻ってきた。郡市対抗県下一周駅伝大会第2日の十九日、6年ぶりに南高・島原代表として出場した小川光洋選手(28)=小川ファーム=は、走る喜びをかみしめながら、早春の長崎路を駆け抜けた。

 「箱根駅伝出場」を目指し、島原高から名門山梨学院大に進んだ。が、そこは部員約100人の大所帯。同級生には日本を代表するトップランナーがいた。努力を重ねたが「次元が違う」。2年の春、指導陣からマネジャー転向を勧められた。

 やりがいはあった。だが、どこかむなしさもあった。監督車から選手を見続ける毎日。「やっぱり駅伝はいいよな」。競技復帰への意欲は捨てられなかった。

 卒業後、故郷の南高南有馬町にUターン。市民ランナー程度の活動は続けた。本気になったのは、一昨年の聖代さん(28)との結婚。「競技者の自分を妻に見せたい」。仕事の合間を縫って土台づくりからスタート。選考会で代表の座をつかんだ。

 義父と養豚業を営んでいるため、第1日は午前4時の出荷を終えてから北松吉井町の9区に出走。その足で島原市に戻った。この日も午前5時からの仕事をこなし、東彼川棚町の9区スタート地点に駆けつけた。

 とんでもない強行軍だが「慣れているから大丈夫」。それよりも、沿道の温かい声援が「たまらなかった。僕の背中を後押しした。県下一周駅伝は箱根に負けない魅力がある」。駅伝を愛してやまない青年は「来年もこの舞台に戻ってくる」と目を輝かせていた。


2005年2月20日長崎新聞掲載